新宿コンセプトルームに見る、モノトーンインテリアの哲学 | リノベーションスープ

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新宿コンセプトルームに見る、モノトーンインテリアの哲学

新宿のタワーマンションをリノベーションした空間。以前はモデルルームとして使用しており、現在はオンラインでご覧いただける「コンセプトルーム」となっています。

83㎡ながらも、縦長の形状と天井高を活かしたプランによって伸びやかに見せています。クールなのにあたたかく、シンプルなのに豊かな印象。濃淡のあるグレーの壁の重なりや、壁の隙間からこぼれる光が訪れた人々の好奇心を刺激し、奥へと導いていく。

今回は、クラフトの哲学を感じさせる新宿コンセプトルームについてご紹介します。

深い海の底に沈んだような静謐な空間

ゲストを迎える玄関から、すでに別世界。

玄関ドアを開いた途端、深い海の底に沈んだような静謐な空間が広がります。

天井高が2750mmという、縦長のプロポーションの玄関。正面の壁のスリットからこぼれ落ちる光。『その先に何かある』。見る人の豊かなイメージをかき立てるために設けた、たった100mmのスリットです。

その効果を損なわないために、手前のタタキには黒皮鉄を使用。無骨な鈍い光とフラットさが、フローリングによって生まれた奥行きを強調しています。

シンプルなシルエットの中に、強いインパクトを放つ

リノベーションを前提で見つけた、ポテンシャルの高いマンション。

もともと2500mmという高めの天井高で、梁もない状態でした。加えてマンション最上階のため、天井裏にゆとりがあり、リノベーションでさらに上げています。

ただし、水まわりが廊下にせり出していたため、より細長い印象。そこで水まわりを大きく移動して部屋の幅を広げ、廊下を短縮。広いLDKにつくり替えています。

潔いほどにシンプルなシルエット、余計な装飾はありません。しかし、さまざまなトーンや素材の質感が折り重なり、強いインパクトを放ちます。

壁の濃淡が、シルエットや陰影を際立たせる

それを感じさせる要素の1つが、さまざまな素材を張り分けた床です。ダイニング・キッチンの一部には、玄関ホールと同じナラのフローリングを張り、廊下からの連続性を持たせています。明るいナラの天然木を使用し、無機質になりがちなモノトーンの空間にあたたかさを添えました。

ダイニングの床は、一部に凹凸や歪みのあるタイルを貼りました。リビング側の床には火山石を使用。照明は天井に埋め込み、光源が直接目に入らないように。

ロフトの上に広がる、ひとりだけの世界

リビングは天井を一部上げ、間接照明を入れて奥行きを持たせています。

TVボードの上にはロフトを設け、空間にリズムを。 “平面的な床+ロフトの床”といったように実際以上の広がりを感じさせる効果もあります。

実際にロフトの上に上がってみると….

天井高はかなり低く、大人は立つことができません。しかし、こもった雰囲気でとても居心地がよいです。大切な本やDVDを置くスペースとして。

訪れた際はぜひ上がってみてください。階段には遊び心のある仕掛けがあります。

「何らかの空間がある」ことをほのめかす

こちらはダイニングから続く扉。向かって右手が洗面室、左が浴室となっています。

3100mmの天井高を活かし、洗面室の上部には扉と面をそろえてFIXガラスを設けました。これに対し、浴室側の上部はロフトのようなスペースを設け、奥まったところにガラスを入れています。

こうすることで左側のスペースに「何らかの空間がある」ことをほのめかしています。

人研ぎ仕上げのバスタブで至福のひとときを

右側のドアから洗面室へ。洗面室はできるだけ光を抑えています。

というのは、浴室に続く光のルートをつくりたかったから。浴室からこぼれる光に誘われるように、ぐるりとまわり込んで浴室に向かいます。あえて遠回りな動線にで、期待感をぐっと高めました。

通り抜けると、バルコニーに面した眺めのよい浴室が。

浴槽は職人さんが手しごとでつくり上げる人研ぎ仕上げです。どっしりとした重厚感がありつつ、やさしい風合いとなめらかな肌ざわりが特徴。

背面はゆるやかな傾斜で壁と一体化させながら、身体をゆったりともたせかけることができます。一段低くなった天井がこもったような落ち着きをもたらし、また夜景を一層際立たせています。

大きな掃き出し窓から、テラスに出てみましょう。

眺めのよいセカンドリビング

洗面~バスルーム~テラスにかけて、床には同じタイルを貼り連続性を演出。あたたかい季節は、裸足のままぺたぺたと歩いても気持ちがよいです。

その先は一段下げてデッキを張り、セカンドリビングのように。ホームパーティーでは、贅沢な景色を望むテラスをゲストに開放してはいかがでしょう。

日がすっかり落ちると、窓の外には都会の景色が広がります。グレーのインテリアをシャンデリアのように彩る、ビル群のきらめき。

2つの窓は既存を活かしました。ただしサッシと床の間には150mmほどの壁があったため、床を上げてフラットにし、屋外とのつながりを演出。高さ2360mmの大きなサッシからは、パノラミックな景色を夜ごとに楽しめるようになっています。こんな空間で毎夜お酒を飲めたら、バーに行く必要もなくなりそうですね。

まとめ

クールさが際立つ、クラフトのコンセプトルームについてご紹介しました。

グレーのインテリアが人気!シックな癒し空間に〉という記事でもご紹介しましたが、無彩色な空間は窓の景色をひき立て、落ち着きをもたらします。

こちらのコンセプトルームでこだわったのは、既存の細長い形状と、天井高を生かした空間構成です。グレーの濃淡が強調するシルエットと奥行き、スリットからこぼれる繊細な光や、その先に”何かある”と感じさせる空間。

一見ムダだと思われがちなスペースが、暮らしのゆとりや美しさをつくります。光に誘われる心地よさ、あえて遠回りをする動線が生み出す好奇心。光と陰を巧みに使った意匠がで住まいの固定概念をくつがえし、新鮮かつなつかしい空間をつくりだします。

コンセプトルームはこちらからご覧いただけます。ぬくもりに満ちたスタイリッシュなインテリアと、立体的な空間構成。誘われるように足を進める心地よさを体感してください。

新宿モデルルーム

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