「ご家族は何人?」と聞くと、「夫婦と子供1人、それから犬2匹です」なんて答えが返ってくることがあります。「ヘー、ワンちゃんも飼っていらっしゃんですね。犬種は?名前は?」なんて話がふくらんでたのしいのですが…いつから犬を〈家族〉と言うようになったのでしょうかね。
犬が家で暮らすなら、住まいの間取りや設備も変わってくるのが当然。お子さまが生まれたら、子供部屋をつくったり、転んでも痛くないようにカーペットを敷いたりしますよね? 犬と暮らす家も、まったく同じ考えでつくることが大切です。
それでは、犬と暮らす家の5つの工夫をご紹介していきます。
〈犬と暮らす家のこだわり1〉おしゃれなドッグスペース
おすすめしたいのが、おしゃれなドッグスペースです。
〈囲われたところに居たがる〉というのは、祖先は洞窟で暮らしていたという犬の習性なのだとか。
いつも一緒がいいというのは飼い主の思い込みで、かえってストレスになっていたのかも…、と反省しました。怒られたり、来客があったりしたときはなおさら、こもったスペースに隠れたくなっちゃう。
というわけで、こちらのリノベーション実例のお住まいは、リビングにドッグスペースを設けています。家具ようにおしゃれなケージでインテリアの一部に。壁を凹ませ天井を低く設け、こもったような空間に仕上げたことがポイント。掃除をしたり、来客があったときには、時ケージを閉めておけば安心です。
犬も「ここは自分のテリトリーだ」と思ってほっとするのか、気がつくといつも入り込んでいるのだそう。犬と暮らす家にぜひほしい、ドッグスペースです。
〈犬と暮らす家のこだわり2〉芝生のあるお庭
犬と暮らす家。もし可能なら、芝生のお庭があるのがベスト。
芝生なら走りやすく、寝転がったりしても気持ちよさそうな顔。土で汚れたりしないのもいいですね。ただし、芝生はお手入れが大変。水やり、雑草抜き、刈り込みなどなど。…できるかな。「絶対ムリ」という方は、人工芝でもOK。私はウッドチップも悩みましたが…うちのは拾い食いのクセがあり、やめました。
もちろんお庭はスペースに限りがあるため、「これで十分!」とは言えませんが。それでも室内にずっと居るよりは、ずっとよさそうです。愛犬が庭で走り回る様子をリビングから見ていると、心が和みますしね。もちろん休みの日は、広い公園で遊ばせています。
〈犬と暮らす家のこだわり3〉無垢の床材やカーペット
お年寄りがよく「硬い床は腰に響くね~」なんて言ってたりしますが、犬も同じ。犬と暮らす家は、床材にこだわりましょう。
室内で飼われている犬の8割が、腰痛などで悩んでるそうです。〈床材に原因がある〉という見方もあるとか。
若いうちは、室内を走り回って何の問題もなかった犬も、歳をとるとだんだん肉球が乾燥しやすくなるのだとか。そうすると、これまで平気だった床材でも、滑ったり転んだり。足への負担も大きく、これが腰を痛める原因になるそうです。
では、犬と暮らす家にぴったりの床材は?
無垢のフローリング。スギ、ヒノキ、パインといった針葉樹は、やわらかくしっとりとしていて、足や腰にもやさしい。ただし、傷がつきやすいのがデメリットです。
オーク、チーク、ウォールナットといった広葉樹は傷がつきにくいものの、ちょっと堅い。また犬の種類によっては、無垢のフローリングでも滑りやすかったりします。できればフローリング屋さんや、リノベーション会社といった専門の人に相談してみましょう。犬が滑らないワックスを塗ったり、犬が滑らない床材を使うといった提案をしてくれるはずです。
邸内全体にカーペットを敷くのもおすすめです。カーペットはクッション性があるため、フローリングよりも足腰にやさしい。家中をたのしそうに駆け回る姿にほっこりします。同じくクッション性のあるコルクもよいでしょう。
ただし、無垢の床材やカーペットは、トイレトレーニングが完璧な犬じゃないとシミになっちゃいます。しつけが微妙なうちの犬には、無垢の床材やカーペットは夢の話です…。
〈犬と暮らす家のこだわり4〉ゆったりとした土間
犬は暑さに弱く、寒さに強い。身体に毛皮を着ているのを見れば、「暑いよね」とわかるのですが、愛犬のかわいさに盲目的になるのは、みなさん一緒のようですね。
ですから、犬のために床暖房を入れる必要はありません。むしろ暑すぎると体調を悪くしてしまうことも。
それよりも、まず暑さ対策を考えてあげましょう。そこでおすすめなのが、玄関の土間スペースを広めにとり、犬の特等席をつくってあげること。
モルタルやタイルといった土間なら、気持ちよくくつろいでくれるはずです。
〈犬と暮らす家のこだわり5〉犬が移動しやすい間取り
犬と暮らす家は、間取りもひと工夫。
LDKに奥行きがあるなら、ドッグランのように長い犬専用の通路をつくってみてはいかがでしょうか。
こちらはの実例は、ドッグスペース~キッチンの間に犬の通り道のある間取り。人が過ごすスペースは無垢のフローリングですが、「汚れがちょっと心配」。というわけで、愛犬が行き来する通路には白いタイルを貼りました。汚れが一目瞭然で、雑巾でさっと拭き取ればピカピカに。犬が滑りにくいタイルを使っているため、滑りません。滑らない・掃除がしやすい・臭いが残らないと、3拍子そろっています。
奥さまが玄関から「ゴハンよー」と言うと、2匹の犬が嬉しそうにタイルの上を走ってきます。ご覧のとおり、ながーいLDKなので、こちらの通路がドッグランのような役割も兼ねています。
というわけで、(縦長いLDKであれば)犬と暮らす家に取り入れてみたい間取りです。
まとめ
いかがでしょうか。前回は〈猫と暮らす家〉をご紹介しました。犬は猫ほど手がかからないように見えますが、暑がりで、散歩に行けないとストレスが溜るし、床で滑りやすく、さらに腰を痛めやすい、ということがわかりました。
もしこれから家を建てたり、リフォームをする方は、ぜひ以下のことを意識してみましょう。
・おしゃれなドッグスペースをつくる
・お庭に芝生やウッドチップを
・床材を無垢フローリングやカーペットに
・土間を広く
・犬に配慮した間取り
それぞれのわんちゃんの習性をとらえて、ストレスのない暮らしを提供してあげることが一番の課題です。
犬も人もくつろげる心地よい空間づくり。いつもみんな一緒に過ごせる住まいをご提案します。
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