「一人暮らしのマンションをリノベーションして暮らしたい！」とお考えですか？ わかります。
一般的なマンションは、単身者向けだと狭すぎる。広いファミリー向けマンションは、部屋数が多くて暮らしにくい。なかなか理想的なマンションに出会えませんよね。
「ゆったりしたワンルームのようなマンションはないのか」
「欧米のように歴史と味わいのあるマンションはないのか」
そう考えた方が最後にたどり着くのが、一人暮らしのマンションリノベーション。趣味のスペースをつくったり、お好きな世界感を追求できるからです。今回は、一人暮らしのマンションの間取りやインテリアについてご紹介します。クラフトのリノベーション実例とともにご覧ください。
一人暮らしのマンションを購入してリノベーション
一人暮らしのマンションを購入するとき、何を重視すべきでしょう。
リノベーション向き物件を紹介している不動産担当に聞いてみると、「とくに目立つニーズは2つ」と。
・広さ70平米以上
趣味のスペースが欲しい
仲間を招いてホームパーティーをしたい
とにかくゆったり暮らしたい
・職場や駅の近く
仕事が忙しく、帰宅が深夜になるから
間取りやデザインはリノベーションで変えられるため、気にする必要はありません。（ただし構造によるため、事前にチェックが必要）
美術品を飾るギャラリースペースや、仲間とくつろぐバーカウンターを設けたり。一人暮らしのマンションをリノベーションする方は、強いこだわり、独自の世界感をお持ちの方が多いそうです。
〈1〉エイジングを極める一人暮らし
一人暮らしに十分な広さのマンションを購入しました。ご希望の間取りは、広いLDK・寝室・書斎。
そこで独立していたキッチンをオープンにし、大きなLDKを設けることに。リビングの隣には念願の書斎をつくりました。ただし、リビングと書斎の天井をつなげることで、別々の空間につながりを感じさせています。あくまで、ワンルームのような空間を意識しました。
さらに洗面室は廊下を兼ねて、スペースを有効活用。「洗面室は絶対に独立」というのは、固定概念です。住まい方には人それぞれ。いらないものもたくさんあります。
LDK・書斎・寝室・バスルームはきちんとゾーニングしているものの、どことなくつながっているような伸びやかさのある住まい。一人暮らしのマンションは、プランの自由度が広がります。
〈data〉
東京都
築７年
約69㎡
一人暮らしマンション
一人暮らしのマンションこだわり〈メタリックな塗装〉
LDKに鎮座するメタリックな箱の壁。この裏側は書斎となっています。
なぜこんな壁をつくることに？
キッチン前の壁にはアンティーク煉瓦を使用。その重厚感に負けず、うるくさくなく、しかもインパクトを与えるような壁をつくりたい。そこで特殊塗装で”錆びた鉄”のようにクールな風合いをつくりました。
全体を黒く塗装し、その上から職人さんが手仕事で刷毛やスポンジ、スプレーを使って鉄板の錆やすすけを丁寧に描いていきました。とくに、巾木の上や角に錆を集中的に描いたことで、吹きさらしの鉄板のようなリアリティーが生まれています。芸術的な絵画さながらの作品です。
メタリックなクールさと、人の手のぬくもりを同時に感じる壁。こんなマニアックなこだわりができるのは、一人暮らしのマンションだからこそですね。
一人暮らしのマンションこだわり〈見せるWIC〉
縦長で広すぎて、くつろげない寝室…。寝室は広ければよいというものでもないようです。
そこで、ロフトを設けて空間を調整しました。縦長の空間にほどよくリズムを与える役割も。
ロフトの下は、WICに。ドアはなく、出入りがスムーズで使いやすい。ライトを灯すとアジトのようなイメージです。ロフトもあるし、アジトもあるし。男というか、もはや少年の夢ですね。
外側の壁にはニッチを設け、メガネと時計をディスプレイ。古材の棚と、鉄板焼付け塗装の滑り止めがアパレルショップのような雰囲気です。
インテリアとしても活躍してくれる、インパクトのあるWICはいかがですか？
〈2〉ロフト・アパートメントの気ままな一人暮らし
リノベーションを前提で購入した都心のマンション。広さは十分なものの、ファミリー向けタイプで、部屋が細かく区切られていました。
そこで、使わない和室をとりこんでキッチンを対面式に。大きなLDKが生まれています。家中どこからでも都会的な景色が視界に入り、部屋中に光と風が舞い込むようになりました。
LDの隅々まで見通せるキッチン。たくさんのゲストに気を配りながら、料理やお酒を提供できるようになっています。
リビングの一角には書斎と寝室を設け、ワンルームのような過ごしやすさに。寝室スペースは引き戸を閉めれば、来客時もプライバシーを確保。
一人暮らしのマンションだからこそ可能な、ワンルームのような住まいです。
〈data〉
東京都
築3７年
約83㎡
一人暮らしマンション
一人暮らしのマンションこだわり〈本格的なキッチン〉
仲間を招いて料理やワインをつくるのがお好きだというお施主さま。見通しのよいオープンキッチンにこだわりました。
理想の〈NYのロフト・アパートメント〉を意識し、アンティーク煉瓦や、ワックスの塗り方を調整したテラコッタタイルを使用。カウンターの天板は、浮づくり加工で無垢の木目を目立たせ、さらにナタで傷付けました。ラフな素材感で古びた味わいを演出しています。
そんな空間に合わせたのは業務用のステンレスキッチン。老舗洋食レストランさながらのキッチンは、間違いなくこの家の主役です。
一人暮らしのマンションこだわり〈バスルームのガラス〉
「夜景を見ながら入浴したい」というご希望から、バスルームを移動し、大きなガラス窓を設けました。隣の部屋の窓をのぞむ夜の景色。それをバスルームのガラス窓から”間接的”に眺められるようにしています。
バスルームを移動するために上げた床には、そこに本棚を設けました。段差に座って画集を開くなど、カジュアルな図書スペースが誕生。ちょっとしたスペースをたのしい空間に変える。気ままな一人暮らしのためには欠かせない心がけですね。
〈3〉クールを刺激する一人暮らし
緑ゆたかな公園のすぐ近く、都心の静かな住宅街。窓に臨むさわやかな緑の景色が気に入り、メゾネットマンションを購入しました。
プランのポイントは、1階と２階でプライベートとパブリックを分けたこと。1階はLDK、２階は書斎・寝室・バスルーム。ただし１階は玄関～窓まで、２階は寝室～吹き抜けまで視線を通し、伸びやかさを感じられるようにしています。吹き抜けに面した２階の壁はオープンに。1階と2階がつながっているような開放感。空間を完全に区切ることなく、ワンルームのようにゆったりと過ごせる空間です。
メゾネットとワンルームのいいとこどりの、一人暮らしマンションとなりました。
一人暮らしのマンションこだわり〈黒皮鉄〉
吹き抜けには、シンボリックなスケルトン階段がたたずんでいます。使ったのは黒皮鉄。
黒皮鉄とは、鉄の成形時に生まれる酸化皮膜です。ふつうの鉄は、この酸化皮膜をなくしてしまいますが、黒皮鉄はそのままに。ムラや傷があらわれた無骨な鉄は、”無垢の鉄”と言っても過言ではありません。
この黒皮鉄を使ってつくった階段は、特別なクールさが。9mmの薄い黒皮鉄板はしなやかで、踏み心地はどっしりとしたもの。時が経つごとに錆が生まれ、より深い趣を演出してくれます。
クールで無骨で、しなやかで、どこかあたたかい黒皮鉄。ヴィンテージ仕上げのオークの無垢フローリングや、刷毛跡を残しながら塗ったグレーの壁に調和しています。
一人暮らしのマンションこだわり〈箱の中身は…？〉
２階の奥にはゆったりとした広さの寝室を設けました。そのとなりにある”箱”のような物体。その内側は、水まわり。プライベートのトイレと洗面・浴室がきれいに納まっています。箱の向こうの書斎と寝室をゆるやかにゾーニングする役割も。壁をダークグレーに塗装し、存在を際立たせました。
ただの水まわりで終わらせるのではなく、箱のように仕上げて空間のアクセントに。こんなふうに遊べることも、一人暮らしリノベーションの醍醐味ではないでしょうか。
まとめ
いかがでしょうか。
一人暮らしのマンションリノベーションでつくる、自分だけの空間。自由なプランが可能になるので、リノベーションをよりたのしめます。
一人にはもったいないほどの、贅沢なワンルーム。
ホテルのようなガラスの間仕切りのバスルーム。
黒皮鉄でつくる、無骨な階段。
マニアックな特殊塗装の壁。
アイデア次第でどのような空間にも生まれ変わる、一人暮らしのマンション。ただし間取りを変えられない構造もあるため、購入前にリノベーション会社に相談しましょう。
リノベーション会社のデザイナーに、ユニークであなたらしいプランを提案してもらいましょう。いくつかの提案のなかから「おもしろそう」「心地よさそう」「これぞ理想！」と思えるようなプランを選べばよいと思います。
リノベーションを前提に、一人暮らしにぴったりのマンションを紹介します。物件探し～リノベまでをまかせて、お得にかしこく、理想的な住まいを手に入れましょう。
物件購入＋リノベーション