黒皮鉄でリノベーション。ラフで無骨なぬくもりを | リノベーションスープ

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黒皮鉄でリノベーション。ラフで無骨なぬくもりを

黒皮鉄を使ってリノベーション craft

黒皮鉄ってご存知ですか?

最近では、黒皮鉄が家具の脚に使われていたり、黒皮鉄のスイッチプレートなんてものがあったりと、住宅インテリア業界のなかでも注目をあびています。

黒皮鉄は、とくにインダストリアル系や男前インテリアにぴったり。ハードボイルドの世界では、酒や煙草がいいスパイスになってるくれるのと同じですね。

メタリックなクールさがありながら、ラフで、無骨。それでいてどことなくあたたかく、木との相性は抜群。今回は、鉄にも木にもない魅力を持つ、黒皮鉄についてご紹介します。

黒皮鉄とは?

黒皮鉄ってなに?
鉄とどこがちがうの?

なんてよく聞かれます。遠目で見ると、黒スチールと似ているような気がしないでもありません。しかし、近くで見ると違いは歴然。表面に傷や濃淡、ムラがはっきりあらわれているのが、黒皮鉄です。

鉄はふつう成形時、表面に酸化皮膜がでてきます。これが黒皮とよばれるものの正体。この酸化皮膜は色むらがあります。あくまで自然に色が変化し、黒皮鉄の表情や味わいとなっているのです。

黒皮鉄の生まれたままの色に対して、人が手を加えることはできません。ひとつひとつの黒皮鉄板が、個性を放っている。まるで無垢の木のようですね。

黒皮鉄は、加工時にさらに表情が生まれます。黒皮鉄を折り曲げたとき、黒皮鉄を切断したとき。自然に刻まれた傷や色の変化が、黒皮鉄らしい無骨さをいっそうもり立ててくれるのです。

鉄そのものの渋み、趣、しなやかさ。住まいや家具のどこかに取り入れるだけで、ぐっと空気感が変わります。

黒皮鉄と錆

黒皮鉄を使ってリフォームするなら craft

黒皮鉄は無塗装。空気中の水分によって酸化し、時間の経過とともに錆が生まれます。

溶接したり、折り曲げたりした部分は黒皮がはがれているため、酸化の進行が早くなります。「え、錆びちゃうんだ…イヤだなぁ」なんて方には、黒皮鉄はおすすめできません。この錆こそが、黒皮鉄のよさなのですから。

とくに屋外や水まわりの黒皮鉄は、雨や水ハネによって錆がたくさんでてきます。渋く茶色く変化した黒皮鉄の表札などを目にすることがありますが、なかなかクールです。「立派に育ちましたね〜」なんて、声をかけたくなります。

使い込んだ無垢のフローリングのように、時間をかけてゆっくりと味わいが深まっていく。時間をかけてゆっくりと育てていくことに、黒皮鉄の醍醐味があるのかもしれません。

黒皮鉄のスイッチプレート

aizara

テーブルや椅子、ラックなど、黒皮鉄を使った家具をたくさん目にするようになりました。

「黒皮鉄がどんなものか気になる…」という方は、スイッチプレートのような小物から使ってみるといいかもしれません。

コンクリートの壁との相性がよい、黒皮鉄のスイッチプレート。ペンキをラフに塗った壁にも合いそうですね。Panasonic社製のフルカラーシリーズに対応しています。

黒皮鉄のスイッチプレート、カードホルダーから、椅子やポストまで。まずは「黒皮鉄ってどんなもの?」を知りたい方は、こんなアイテムからチャレンジするのもアリかも?
 
aizara web

黒皮鉄を使ったリノベーション実例

黒皮鉄でリノベーション1_階段

こちらの住まいのシンボルとも言える、スケルトン階段。それに使ったのは、黒皮鉄です。

工場で二段分に折り曲げた黒皮鉄板を、現場で一枚に溶接しました。黒皮鉄の厚さは9mm。薄い黒皮鉄が折り上がって階段を形作っているようなイメージです。

見た目はとても華奢なのに、実際に階段を上がってみると強靭でしなやかな踏み心地。ちょっとやそっとではびくともしません。シルエットは軽やかでうつくしく、壁に幻想的な陰を落とします。

窓の景色を遮ることなく、空間に調和。折り曲げ部分は白っぽく、錆の部分は淡くやさしい茶色。マットな黒皮鉄のところどころに刻まれた傷や溶接の跡が、深い味わいを見せています。

黒皮鉄でリノベーション2_キッチン

黒皮鉄を使ってリノベーション craft

キッチンの腰壁に使ったのは、黒皮鉄。色むらや加工の跡の残る黒皮鉄が懐古的な印象です。そこにモダンな要素を与えるため、背面の収納は光沢のある黒で塗装しました。

ヴィンテージ加工を施したオークの無垢フローリングや、塗りムラを残してグレーに塗装した壁。すべての素材がバランスよく調和し、お気に入りのジャン・プルーヴェの家具がずっと昔からそこにただずんでいるかのよう。

懐古とモダン。全体のバランスを考えながら黒皮鉄をとりいれました。
 

黒皮鉄でリノベーション3_吊り棚

ブルックリンスタイルでまとめたLDK。

アンティーク煉瓦やスギの羽目板など、質感がぐいぐい伝わる素材をたっぷり使い、ラフで上質な空間に仕上げています。

リビングの小上がりスペースとキッチンの間に設けたデスクスペース。その上部の吊り棚には、黒皮鉄を使用しました。

使い古したような古材の棚板に、ラフな黒皮鉄のフレームがフィット。ちょっとした部分にも、黒皮鉄を使うと印象が深まります。

まとめ

黒皮鉄についてご紹介しましたが、いかがでしょうか。

黒皮鉄はただの鉄とは違い、マットな表面に濃淡、傷、溶接跡などがあらわれています。使い続けるうちに錆がでてきて、より味わいのある雰囲気に。無垢のフローリングのように、生まれたままの姿で、経年変化をたのしめる素材です。

木のぬくもり×黒皮鉄
シンプルモダン×黒皮鉄
クール×黒皮鉄
ヴィンテージ×黒皮鉄

どのようなテイストとも相性はよし。ぴりりと効いたスパイスとして、空間に取り入れてみてはいかがでしょう。クールであたたかい雰囲気を添えてくれるはずです。

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