長期優良住宅化リフォームのメリット | リノベーションスープ

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長期優良住宅化リフォームのメリット

長期優良住宅のように長持する住まいをつくるならcraft

長期優良住宅化リフォームの認定制度が2016年4月にはじまりました。長期優良住宅化リフォーム推進事業がはじまって2年。試験運転を経てやっと、長期優良住宅化リフォームの”認定制度”としてスタート。この制度、これからリフォームする人にどのようなメリットをもたらすのでしょうか?

これから長期優良住宅化リフォームについて、わかりやすくご説明します。

〈1〉長期優良住宅化リフォームとは
〈2〉長期優良住宅化リフォームの認定制度について
〈3〉長期優良住宅化リフォームのメリット
〈4〉28年度の長期優良住宅化リフォームの補助金
〈5〉長期優良住宅化リフォームの補助金の申請方法

長期優良住宅化リフォームとは?

まずは長期優良住宅のおさらい

前回ご紹介した、〈長期優良住宅のメリットとデメリット〉を覚えていますか? ざっくりとおさらいすると、「新築時に長期優良住宅として建てられた物件は国のお墨付きだから、中古で買ってリフォームするのにぴったりだよ」という内容です。

ただし、長期優良住宅には以下の条件があります。

・構造躯体の耐久性が100年くらいあること
・大きな地震があってもダメージが少ないこと
・メンテナンスしやすいように設計されていること
・リフォームしやすいように設計されていること
・将来バリアフリーにすることを考えて設計されていること
・高断熱高気密で省エネなこと
・家の周辺環境がよいこと
・マンションは55平米以上、一戸建ては75平米以上あること
・メンテナンスの計画がしっかりしていること

…かなり厳しい基準がありますが、ハウスメーカーによる新築は、最近では長期優良住宅がスタンダード。中古物件だけ追いついていないので、国も「これはマズい」と思ったのか…。
2016年の4月から、リフォームの長期優良住宅認定制度がスタートしました。

長期優良住宅化リフォームの認定制度が日本を救う?

この認定制度の試験運転とも言うべき、長期優良住宅化リフォーム推進事業が成立したのは2014年2月。中古住宅の耐久性、耐震性、省エネなどを一定レベルまで高めるリフォーム工事なら、国が補助金を出すというものでした。

国はどうしてそんなことをしているのでしょうか?

国のお墨付きの中古物件が増える
 ↓
みんな安心して中古を買える
 ↓
リフォーム物件が人気、市場が拡大
 ↓
ストック型社会に
 ↓
ムダな工事が減り、経済的なゆとりが生まれる、環境にもやさしい

という壮大なストーリーがあるそうです。

長期優良住宅化リフォームに認定されるメリットは?

「長期優良住宅化リフォームは日本のみなさんのためになるんですね。ちょっとお金がかかりますが、よろしい。やりましょう」

…そんな人がいたらここに連れて来てください。

国のため、地球のために、中古住宅にお金をかけて長期優良住宅化リフォームする価値はあるのか? そんなことより、ハイスペックなキッチンやトイレに交換するとか、無垢のフローリングや大理石の床にするとか、もっと住まいのグレードを上げた方がいいのでは? そんな考えを持つのが人間です。いいんです、それで。

しかし、長期優良住宅化リフォームは個人にメリットがないわけではありません。中古住宅でも、長期優良住宅にリフォームすれば、孫の代まで安心して暮らせるように。国からのお墨付きがあるので、売却時も有利になると言われています。それに補助金ももらえます。

補助金…?

28年度の長期優良住宅化リフォームの補助金は?

長期優良住宅化リフォームをすると、工事費用の1/3が補助されます(上限あり)。 ただし、長期優良住宅化リフォームの補助金をもらうためには、評価基準を満たす必要があります。

○評価基準型/認定長期優良住宅型・事前採択型(公募期間:平成28年5月12日~6月10日)
・評価基準型(1):評価基準に基づく長期優良住宅化リフォーム(補助上限額100万円/戸)
・評価基準型(2):評価基準に基づき、全ての評価項目においてS基準を満たす
長期優良住宅化リフォーム(補助上限額200万円/戸)
・認定長期優良住宅型:長期優良住宅(増改築)認定を取得するリフォーム(補助上限額200万円/戸)

長期優良住宅化リフォーム推進事業事務局より引用。2016年6月11日現在)

わかりやすく説明します。長期優良住宅化リフォームの評価にはA基準とS基準があり、どちらを満たすかで補助上限額が変わってきます。たとえば、劣化対策等級ひとつにしても、A基準は等級2でいいけれど、S基準は等級3でなければならない。ほかにマンションの広さはA基準が40平米以上、S基準は55平米以上。

万事がこんな調子で、S基準には厳しい条件が課されます。そしてオールSを獲得した、できすぎ君のような家だけ評価基準型(2)となり、補助上限額も200万円に。認定長期優良住宅型も同様にオールSが条件です。

過去にこの制度が使われたリフォームは、一戸建てとマンションを合わせて27000戸を超えます。ただしこれは、補助上限額100万円の評価基準型(1)をクリアした住宅のみ。S基準の評価基準型(2)は、100戸を超える程度で伸び悩んでいるそうです。どれだけハードルが高いかがわかりますね。

長期優良住宅化リフォームの補助金の申請方法は?

長期優良住宅化リフォームの申請は、個人でも、工務店でも、リフォーム会社でもできます。
全体のざっくりとした流れとしては

リフォーム会社:「こういう工事をしますよ」と内容がわかる書類を国に提出
 ↓
国:「これなら大丈夫そう」と事前採択
 ↓
リフォーム会社:見積書や図面等を添えて交付申請
 ↓
国:厳しくチェックし、基準をクリアしていれば交付を決定
 ↓
リフォーム会社:インスペクションを行い、リフォーム工事をスタート
維持保全計画も考えたうえで、「しっかり基準に合わせました」と報告
 ↓
国:完了検査
 ↓
施主:補助金を受け取る

ざっくり書くと簡単そうですが、手続きはかなり複雑です。ハードルをさらに上げているのが、申請期間の長さ。申請先は、全国に120ほどある住宅性能評価機関。問題は、それぞれの機関で採択がおりるまでにばらつきがあること。1ヶ月で採択されることもあれば、半年かかってしまうこともあるそうです。さらに機関ごとに必要資料が異なるため、申請する業者さんは戸惑っているという話も。こうした事前採択が必要な申請は、〈提案型申請〉。個人でも業者さんでも、申請には根気が必要です。

この提案型申請のむずかしさを解決するため、今後は〈通年申請〉ができるようになるそうです。事前採択の必要はなく、交付申請からスタートできるため、申請期間の短縮に。ただし、これも〈これまで本事業を実施したことのない施工業者が対象〉〈1住戸だけで、補助上限額100万円〉というきびしい条件があります。

まとめ

長期優良住宅のリフォームについてお話しましたが、いかがでしょうか。

長期優良住宅化リフォームとして認定されると、
・国から「いい家だよ」とお墨付きをもらえる
・安心して長く暮らせる
・売却時に有利かも
・うまく条件をクリアできれば補助金も
・日本社会に貢献できる
というメリットがあるようです。

しかし、そのハードルはなかなかの高さ。申請は期間がかかるし、手続きも煩雑。あらゆる業者さんが二の足を踏んでしまうのもうなずけるような気がしますね。長期優良住宅化リフォームの申請期間や資料が統一されれば、もっと申請する人が増えるのではないでしょうか。

とは言え、これまで一戸建てとマンションを合わせて27000戸以上の補助実績があるのも事実です。リフォーム期間にゆとりにある方は、チャレンジしてみるのもよいかもしれません。

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