
自宅のリビングを映画館にしませんか?
かつては「マニアのもの」というイメージがあったホームシアターも、映像機器の進化と普及によって、比較的手軽に導入できるようになりました。この記事では、ホームシアターづくりのポイントや設備をインテリアに溶け込ませるコツを、リフォーム事例とともにご紹介します。
ホームシアターがおすすめの理由
少し前までは、自宅で映画を観たくなったらレンタルビデオ店に足を運ぶ必要がありました。近年はインターネット回線の高速化から、Netflixやプライム・ビデオなどの動画サブスクリプション(定額サービス)の普及が進み、高精細度の映像が自宅でいつでも視聴できるようになりました。有料動画配信サービスを利用する人は年々増加しており、今後もこの傾向は続くとみられています。
完璧な環境で映像に没入したい本格派には、専用のシアタールームを作ってしまう人もいますが、映画やスポーツを家族で楽しみたいなら、リビングのホームシアター化がおすすめです。
ホームシアターの作り方
テレビとスクリーンの違い
「テレビ」と「スクリーン」(プロジェクターによる映像の投影)。どちらがホームシアターの画面に適しているのでしょうか。
スクリーンの大きな特徴といえば、100インチ以上も投影可能な大画面です。テレビの大画面化も進んではいますが、国内メーカーの一般家庭向け製品では最大でも85インチ程度にとどまっています。また、スクリーンはプロジェクターで光を投影する方式のため、暗い室内での鑑賞に最適です。一方、テレビは画面自体が発光するため、明るい室内でも見やすいというメリットがあります。
スクリーンは巻き取って天井側に収納することができるため、テレビと同じ場所に設置しておくこともできます。そのため、普段はテレビで映像を楽しみ、より大きな画面で観たいときにはスクリーンを下ろす、と両方を併用するプランニングもおすすめです。
ホームシアターシステムの種類
ホームシアターシステムは、複数のスピーカーで構成されるオーディオセット。視聴者を囲むように配置することで立体的な音響を再現し、まるでその場に居るかのような臨場感と迫力のあるサウンドを楽しむことが可能です。ホームシアターシステムは、おもに2種類のスピーカー構成があります。
【5.1ch】
5.1ch(チャンネル)とは、センター(正面)、フロント(前方・左右)、リア(後方・左右)に配置する5台のスピーカーと、1台のサブウーファー(低音用)で構成されるシステムです。標準的なDVDの音響は5.1chに対応しています。
【7.1ch】
5.1chの構成にサイドスピーカー(センターとフロントの間)を1対加えたシステムです。ブルーレイディスクは、7.1chの音響収録に対応しています。
そのほか、9.1chや11.1chといったスピーカー構成もありますが、ホームシアターであれば5.1chか7.1chが一般的です。また、耳の錯覚を利用して前方のスピーカーのみで立体的な音を再現する「バーチャルサラウンド」もあります。設置場所に制限があり、後方スピーカーの設置が難しい場合におすすめです。
映像を大きな音で再生するときに気になるのが騒音問題。住まいを一新するフルリフォームなら、ホームシアターの設置とともに本格的な防音工事も可能なため、こだわりの音響を気兼ねなく楽しむことができるようになります。
設備をインテリアに溶け込ませる
スピーカーやプロジェクターの設置方法には、「棚に置く」「スタンドで床に置く」「天井吊りにする」といった選択肢があります。良質な音響と映像の再生を実現しつつ、インテリアの邪魔にならないようにするためには、機器の配置場所をしっかりと考慮したリフォームプランを立てることが大切です。畳んだスクリーンを天井に隠すためのボックスや、プロジェクターを収める棚を造作すると、すっきりとした空間を保てます。
リビングにホームシアターを設けたリフォーム事例1

35帖の広々としたLDKのリビングに、ホームシアターシステムを設置したリフォーム事例です。正面の壁は塗りムラが美しい特殊塗装で、造作のTVボードの下には大理石が優しく光をたたえます。シックな空間の天井に、大型スクリーンとプロジェクター、スピーカーを設置しました。スクリーンボックスは埋め込み式のため、アートな空間を邪魔しません。
リビングにホームシアターを設けたリフォーム事例2

和室を取り込み拡大したLDKに、ホームシアターを設けたリフォーム事例です。
スクリーンボックスを天井のルーバーに隠れるように設置しているため、普段はすっきりと収納しておけます。正面の壁には、スクリーンの大きさに合わせて、左右にスリットライトを設けました。ピクチャーレールを設置しており、普段はギャラリースペースとして活用することができます。
リビングにホームシアターを設けたリフォーム事例3

ゲストが集うサロンのようなLDKを設けたリフォーム事例です。皆で映像や音楽を楽しめるよう、ダイニングテーブルの前にスクリーンとカウンター収納を設けました。パーティー利用がしやすいよう床は土足でも利用できる大理石調タイルを採用。壁には素材感のある木質パネル、天井には柔らかな光の間接照明を設け、ラグジュアリーな雰囲気を演出しています。
リビングにホームシアターを設けたリフォーム事例4

こちらは、一戸建てのお住まいを西海岸テイストにリフォームした事例です。和室を取り込んで広げたリビングに、ホームシアターを設けました。

ラフに塗装した白い羽目板の壁に、ヨーロピアンオークと黒皮鉄で造作したTVボードが爽やかな空間。普段は埋め込みのスクリーンボックスにすっきりと収めておけるため、インテリアの雰囲気を壊しません。
リビングにホームシアターを設けたリフォーム事例5

白木が美しい和モダンの住まいに、ホームシアターを設けたリフォーム事例です。リビングの一角に、ご要望に合わせた大容量の本棚を設けました。さらに本棚の前にスクリーンを設置して、ホームシアターとしても活用できるように。

縦格子の引き戸を閉めれば、本棚ごとすっきりと隠すことができます。
まとめ
リビングをホームシアターにリフォームするなら
・設置条件に合わせて設備を選ぶ
・インテリアに溶け込ませる
・必要に応じて防音工事を施す
といったポイントを考慮してプランニングしましょう。
いつでも迫力の映像や音響を手軽に楽しめる空間を実現しませんか?
リラックスできるリビングのリフォーム事例を多数掲載しています。シアタールームやホームシアターを設けて、自宅でいつでも本格的な映像や音楽を楽しめるように。