階段は、「ただ上り下りするだけの道具」として考えていませんか? もちろん階段の機能性は重要ですが、そこにデザイン性をプラスすることで”美しいオブジェ”として住まいを彩ることもできるんです。
しかし、それはデザイン次第。
ここでは、美しくリフォームされた階段のデザイン実例を写真とともにご紹介しています。あなたはどんな階段をご希望ですか?
ガラス越しに眺める軽快な階段にリフォーム
白いスチールの手すりやささらと、木の段板が軽やかなスケルトン階段。とてもやさしい雰囲気で、白を基調としたさわやかな住まいに溶け込んでいます。ポイントは、階段室の間仕切り壁と扉をガラスに変えたこと。玄関からはガラス越しに、リビングやその先に広がる庭の景色まで見通せるようになりました。
もちろん、玄関も明るさと伸びやかさが加わります。2階の窓から注ぐ光は1階まで降りてきて、訪れたゲストからは、ため息が漏れる漏れないとか。
階段が十分アートになり得ることがわかります。
猫もよろこぶスケルトン階段にリフォーム
リビングの吹き抜けを通り抜けるスケルトン階段。黒いスチールが、明るい空間を引き締めています。手すりは必要最低限に留め、階段のスリムなシルエットを強調。シンプルなインテリアに、リズミカルなアクセントをつくりだしています。これなら階段の先にある窓の景色や、自然光を遮る心配もありません。階段のボリュームを絞り込んだ、ミニマムな美しさが光っています。
それに加えて、この猫のよろこびよう。猫のためにつくったのではないのですが、結果的に猫もよろこんで一石二鳥。キャットウォーク代わりに遊びまわっているようです。
お子さまが小さいご家庭は、しばらくの間、転落防止ネットを取り付けるとよいでしょう。
図書館のあるアカデミックな階段にリフォーム
ご家族でたくさんの本をお持ちの方、いらっしゃるのではないでしょうか。それぞれの個室に本棚を設けるのもいいですが、このようにご家族共有の本棚をつくるのもおすすめです。
こちらのお住まいは、リフォームで階段の壁一面に本棚を設けました。海外の図書館のようなアカデミックな雰囲気ですね。トップライトから注ぐ自然光がとて も心地よく、ちょっと段板に座って写真集を眺めたり。時間が経つことを忘れて、ついつい読みふけってしまいそうな空間です。
「お父さんの『坂の上の雲』でも読んでみようかな」「これが村上春樹か。今日も若い社員が話してたなぁ(パラパラ)ふーん」なんて、いつのまにか親子間で本を共有するように。教養が深まり、引き出しが増えるといった、二次的なメリットも期待できます。
ショーケースに飾りたくなる階段にリフォーム
窓に開いた階段の美しさと軽やかさを活かすため、玄関と階段室の間の壁をFIXガラスに変えています。ショーケースに飾ったモダンな作品をのぞくような、うっとりした心地に。階段室の窓から注ぐ自然光があたりに広がり、何ともいえない開放感が生まれました。
新品のようにピカピカの階段。しかし実は、既存の階段のスチール部分を白く塗装し、ダークブラウンの段板に替えただけです。
リフォームは、必ずしもすべてを壊してしまうわけではありません。既存がまだ使える状態であれば、加工をするなどしてコストダウン。これがリフォームのよいところですね。
まとめ
階段のリフォームは、”どこまでこだわるか”というのが一つの課題になってきます。
今回のように位置を移動し、階段そのものをつくり替えるのか。あるいは、既存を活かして塗装し、階段室と玄関の間の壁をガラスに変えるのか。いろいろな方法がありますが、大切なのは全体のバランスです。たとえばシンプルモダンな階段で空間に溶け込ませる方法もありますし、個性的な色使いや形状で空間のアクセントにする方法もあります。もちろん、コストのバランスも考える必要もありますね。
まずは、デザイナーと一緒に理想のイメージを大まかに決定し、「その空間にはどのようなデザインがフィットするのか」ということを考えましょう。きっとゲストが「美しい…」とつぶやくような階段に生まれ変わるはずです。