建て替えかリフォームか? 迷ったときの判断ポイント | リノベーションスープ

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建て替えかリフォームか? 迷ったときの判断ポイント

建て替えかリフォームか? 迷ったときの判断ポイント
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お住まいが古くなったり、暮らしにくさを感じている場合、「建て替えるか」「リフォームするか」で迷ってしまう方が多いようです。

ここで大切なのは、「何を優先するか」。

たとえば、コストを優先したい場合。建て替えよりも低コストの傾向にあるリフォームがおすすめです。また後述しますが、広さをキープしたい場合も、リフォームのほうがよいことも。

しかし、「建て替えよりもリフォームがおすすめ」とは断言できません。老朽化が進んでいたり、耐震性が低い住まいは補強工事が必要になり、新築レベルのコストになることもあるからです。

建て替えか、リフォームか迷ったとき、何を基準に判断すればよいのでしょうか? さまざまな視点から判断基準を考えていきたいと思います。

建て替えがおすすめなケース

建て替えかリフォームか? 迷ったときの判断ポイント
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〈建て替えとリフォームの費用がほとんど変わらない〉
建て替えよりもリフォームのほうが安くすむとは限りません。構造が老朽化していたり、シロアリ被害があったり、建物が傾いていたり、新耐震基準を満たしていなかったり。現状が悪ければ悪いほど、大規模な工事が必要になり、コストがかかります。

とくに、1981年6月1日よりも前に確認申請が提出されている建物は、ちょっと注意してください。リフォームで新耐震基準法に適合させるには、多額のコストがかかります。リフォーム費用が建て替えの80%を超えるなら、建て替えも検討しましょう。

〈間取りを思い通りにしたい〉
リフォームで間取り変更をする場合、ある程度の間取りが制限されてしまいます。「ここに窓をつくりたい」「階段を移動したい」「大空間をつくりたい」と思っても、構造の問題で実現できないことも。一方建て替えなら、理想の間取りを100%実現できます。

〈確実に安全性を高めたい〉
建て替えとリフォームの大きな違いは、基礎や構造材(柱、梁)を全て壊すか、ある程度残すか。リフォームでは既存の基礎や構造材を活かし、建て替えでは全てを壊して新たに設けます。リフォームのほうがコストは抑えられますが、今の耐震基準に完全に適合させるのがむずかしいことも。その点、建て替えなら、現在の新耐震基準に従って工事を行うため、確実に安全性を高めることができます。

リフォームがおすすめなケース

建て替えかリフォームか? 迷ったときの判断ポイント
イメージ通りの空間にリフォームするならcraft

〈コストを抑えたい〉
ほとんどの場合、建て替えよりもリフォームのほうがコストはかかりません。さらに、既存の階段や建具を活かせば、その分だけコストダウンに。ただし構造補強など大掛かりな工事が必要な場合は、リフォーム費用が建て替え費用と同じくらいになってしまうことも。そうなると、建て替えたほうがよい可能性が出てきます。ただし、構造補強が必要な場合でも、リフォーム面積を減らしたり、素材のランクを落とすなどしてコストを抑えることができます。リフォーム会社にご予算をはっきりと伝え、「どこまでできますか」と聞いてみるとよいでしょう。

また、建て替えた場合、新たに不動産取得税、都市計画税、登録免許税などがかかってきます。当然ですが、固定資産税もアップします。リフォームならこれらの税金がかからないうえ、固定資産税も変わりません。建て替えに比べてリフォームは、税制面でのメリットも大きいようです。

〈新耐震基準に適合していて安全〉
1981年6月1日より後に確認申請が提出された建物なら、耐震性が高く、構造補強の必要はありません。そのぶんの予算を、間取り変更や設備のグレードアップに投資できます。ディテールにこだわりながら、理想の住まいをつくることができるでしょう。

〈思い出を残したい〉
ご兄弟でよく遊んだ屋根裏部屋やお庭、身長を刻んだ柱、お父さまが気に入っていたステンドグラスの建具など。長年暮らした住まいには、なつかしさが詰まっているのではないでしょうか。建て替えだとすべてを一新することになりますが、リフォームなら大切な部分を残しながら住まいを新しくできます。家族で笑ったり、はしゃいだりして過ごした、欠けがえのない思い出を守りたい方は、リフォームがおすすめです。

〈古さに価値を感じる〉
古い建物が高く評価されている欧米では、中古物件でも値上がりすることがあるそうです。一戸建ての資産価値が約20年でゼロになる日本と比べ、価値観の違いに驚かされます。しかし、ここ数年で日本でも「古い建物に魅力を感じる」「ヴィンテージの空間が好き」という方が増えてきました。そのため、新しい住まいでも床や壁の素材にエイジング加工を施し、経年変化を表現するケースがあります。リフォームでは、古くて味わいのある住まいの無垢のフローリングや煉瓦の壁、真鍮のドアノブを活かしたり、古いコンクリート躯体や木の柱や梁を露出させ、アクセントとしてインテリアに取り入れることができます。古くて趣のある空間に価値を感じる方は、リフォームがおすすめです。

リフォーム時には、経年変化をたのしめる上質な素材を使ってみてください。数十年後、傷や色合いの変化で風合いが増し、より魅力的な住まいに育っているはずです。

〈環境負担を減らしたい〉
30坪の2階建ての木造住宅を解体する時、だいたい4tトラック5~10台分の廃材が出るそうです。さらに鉄骨造や鉄筋コンクリート造だと、もっとたくさんの廃材が出ます。解体時と建設時に排出される二酸化炭素量も相当なもの。これに対しリフォームは、既存の構造躯体を活かすため、解体・建設部分が少なく二酸化炭素の排出量の削減につながります。リフォームで断熱材を入れたり、断熱効果のあるガラスへの交換も二酸化炭素の削減に効果的です。

また太陽の光や熱、風を暮らしに取り入れるパッシブデザインに基づいたリフォームプランなら、地球にやさしく暮らすことができるでしょう。環境負担を減らし、経済的なのがリフォームです。

まとめ

〈建て替えがおすすめなケース〉〈リフォームがおすすめなケース〉をそれぞれご紹介しましたが、判断材料になりましたでしょうか。これだけでは決断できないと思いますが、ひとつの考え方として参考にしてください。

建築基準法や構造など、ご自身で判断するにはむずかしい部分があります。建て替えか、リフォームかでお悩みの方は、ひとまずリフォーム会社に「まだ悩んでいるのですが…」と相談してみましょう。プロの視点で適切なアドバイスをしてくれます。

ご自身で「リフォームのほうが安い」と思っていても、先述したように耐震補強の工事が必要であれば、ほとんど建て替えと変わらない金額になってしまいます。誠実なリフォーム会社なら、「建て替えたほうがいいですよ」と教えてくれるはずです。ただし、なかには不親切なリフォーム会社もあるかもしれません。できれば数社に相談し、見積もりとリフォーム内容を比較検討してみてください。

どちらがより多くのメリットがあるかを考え、後悔のない判断をしましょう。

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