ヨーロッパのホテルのようにクラシカルなインテリア。家具や小物でコーディネートするのもありですが、モールディングを使うと雰囲気がぐっとアップします。
ただし、やり過ぎには注意。全体のバランスを見ながら控えめに仕上げると、どのような家具も合わせやすくなります。今回は、モールディングの使ったインテリアの実例をご紹介します。
モールディングとは？
モールディングとは、床と壁、壁と天井の間の段差を隠したり、装飾する建築意匠です。
壁や天井に対し、モールディングはほんの少しの面積なのに、その存在感が大きいことに驚かされます。モールディングの立体的な模様や線が、部屋全体の一体感をつくり、さらに古典的な趣を添えてくれるのです。
オーソドックスなデザインの住まいも、リノベーションでモールディングを付けると、欧米邸宅のように。DIYで取り付ける方もいますが、プロの大工さんが取り付けたモールディングは、やはり納まりがキレイです。
モールディングを使ったリノベーション事例
モールディングのポイントは、”控えめ”で”上品に”。またモールディングを壁と天井の境目に付けると、角がなくなり、奥行きが生まれて広く感じられるという視覚的な効果も。リノベーションでモールディングを取り付けた事例をご紹介します。
廻り縁や巾木に。さりげないアクセントのモールディング
壁や天井、建具は全て白で統一。天井の廻（まわ）り縁と巾木には、モールディングを取り付けています。単調になりがちな白い天井が、モールディングによってやさしく優美なイメージに。またモールディングの連続性が、リノベーションで広げたLDKに一体感をもたらしています。
ごくごくシンプルなインテリア。赤みがかったブラックチェリーの床とのコントラストにより、モールディングの装飾が美しく引き立てられていますね。
モールディングを使って、クラシカルな趣とシンプルさが両立した空間に仕上げています。
本棚の額縁やロゼット。アメリカントラッドなモールディング
白をベースとしたさわやかなLDK。天井の廻り縁はもちろん、本棚やドアの額縁までモールディングを施しています。本棚の四隅にはロゼット（花柄の装飾）も取り付けて、本格的なトラッドスタイルに。
モールディングが主張しすぎず上品にまとまっているのは、壁とモールディングの色を統一しているため。モールディングの控えめな陰影だけが、やさしく空間を彩ります。
モールディングによって、健全さと伝統が共存するアメリカントラッドな住まいが誕生しました。
ドアの額縁に。リビングの雰囲気を伝えるモールディング
モールディングは必ず「天井の廻り縁に」というわけはありません。むしろインテリアによっては、装飾過剰になってしまうケースもあります。
たとえば、ドアの額縁だけにモールディング取り付けた場合。これだけでかなりイメージが和らぎますし、リビングのクラシカルな雰囲気をさりげなく伝えることもできます。真鍮のドアノブや、ヘリンボーンの床との相性もよいですね。
あえて天井には取り付けず、部分的にさりげなく。引き算によって、モダンなイメージに仕上げています。
まとめ
モールディングを使ったインテリアの事例をご紹介しました。
モールディングはバランスが大切です。やりすぎるとお持ちの家具がフィットしなかったり、息苦しさを感じることも。できるだけシンプルに、しかし効果的なアクセントとなるように計画しましょう。
また、クラシカルなイメージをつくるのはモールディングだけではありません。たとえばヘリンボーンのフローリングや、アンティーク煉瓦、馬目地のタイル、木の腰壁など。これらをモールディングと組み合わせることにより、よりリアルな時代性が生まれます。リノベーションのデザイナーに相談し、モールディングをうまく取り入れながら、理想の空間をつくってみてはいかがでしょう。
クラシカル、モダン、ホテルライクなど、さまざまなデザイン事例をご紹介しています。まずは、お好みのデザインを見つけてみましょう。
クラフトのリノベーションデザイン事例
