日本の一戸建ては、まだまだ大半が木造住宅。
しかし、気をつけたい点が一つ。同じ木造住宅でも在来工法(木造軸組工法)、2×4(ツーバイフォー)工法など工法によって、リフォームの「できる」「できない」が変わってくることです。これからリフォームをお考えの方は、お住まいが「どの構造か」だけでなく、「どの工法か」を知っておいたほうがよいでしょう。.これから中古の一戸建てを買ってリフォームしようとお考えの方なら、なおさら知っておく必要が。
これからわかりやすくご説明したいと思います。
木造住宅のリフォーム、自由にできない部分も...
在来工法・2×4工法はできることが違う
木造住宅の工法は、大きく2つに分かれます。
・在来工法
・2×4(ツーバイフォー)工法
この2つはどれも同じ木造なのに、中身がぜんぜん違います。「我が家は木造住宅だから、好きな間取りできますよね~」なんてうれしそうにリフォーム会社を訪れると、担当者に気まずい思いをさせてしまうかもしれません。「我が家は木造なんですが、2×4(ツーバイフォー)工法なんです。あの、どこまで間取り変更ができますでしょうか」と言えたら100点満点。きっと担当者はリフォームでできること・できないことを、わかりやすく教えてくれるでしょう。
〈木造住宅のリフォーム〉 在来工法でできること
在来工法は、またの名を木造軸組構法(もくぞうじくぐみこうほう)と言います。日本の伝統的な建築方法で、国土交通省によると、日本の一戸建てのなかでも7割ほどを占めているのだとか。柱・梁・筋交といった”軸”で建物を支えていますが、これらは動かしやすいため、リフォームではかなり自由な間取り変更が可能になります。壁を動かしてLDKを大きくしたり、廊下をなくしたり。とにかく思いのままのリフォームができることが一番のメリットです。
こちらのお住まいは、移動できない古い梁や柱を塗装し直し、インテリアとして利用しました。暮らしているのは若いご夫婦。シンプルでモダンな空間に、「ちょっとした趣と重厚感が生まれた」と嬉しそうなご様子でした。
〈木造住宅のリフォーム〉 2×4(ツーバイフォー)工法でできること
日本でも1970年代から採用されてきた、北米生まれの工法です。木材の枠に、合板パネルで床・壁・柱を組み、”面”で支える合理的な構造が特徴。壁式構造と言って、壁が建物を支える役割をしているため、在来工法ほど自由に間取り変更はできません。つまり、お客さまのご希望を叶えにくい、リフォーム泣かせの工法なのです。
しかし、各ハウスメーカーの2×4工法の基準をきちんと理解していれば、理想どおりの間取りが可能に。(リフォーム会社の技術と経験にもよります)構造上、壁を完全に動かすことができないケースもありますが、その場合は構造計算のもと、梁を補強しながら開口し、視線を通すことで伸びやかさや、別々の空間につながりをつくります。ここが、デザイナーの腕の見せ所です。
まとめ
木造住宅は、ほとんどが在来工法かツーバイフォー(2×4)工法に分類されます。それによって、リフォームの可能性が変わることをお分かりいただけましたでしょうか?
リフォームするなら、木造の中でも在来工法がもっとも有利なことは事実です。だからと言って、肩を落とさないでください。ツーバイフォー(2×4)工法でも、構造のルールをきちんと理解し、構造計算を行ったり、梁を補強したりすることで、間取りを自由に変えられるケースがあります。たとえ替えられなかったとしても、デザインの工夫で理想に近づけることなら可能なはず。それは、リフォーム会社のデザイナーのアイデア次第です。あきらめずに、まずはリフォーム会社に相談してみましょう。