
「ときどきホテルに泊まってリフレッシュしている」という、贅沢な人の話を聞きます。彼らが泊まるのは、マンダリンオリエンタルやアマンやアンダーズといった超一流ホテル。そんな人々に「うらやましい…」と言わせる方法が、たった一つだけあります。
家をホテルライクなインテリアに変えること。
自宅のドアを開けた瞬間に広がる、非日常的な空間。クラシカルなホテル、デザイナーズホテル、アジアンリゾートホテルなど、テイストはお好みで。あなたがお好きなホテルをイメージしながら、インテリアをつくってみてはいかがでしょう。
それでは、「ホテルライクな空間をつくる7つの方法」をご紹介します。
(作成日 2018.6.15 /更新日2022.3.4)
ホテルライクなインテリアは、たった7つのルールを守るだけ
リノベーション事例から、ホテルライクな空間のつくり方を見てみましょう。
〈1〉シックなカラーでまとめたホテルライクなリビング

ホテルライクなマンションにリノベーションした事例。
ほとんどのホテルは、色が統一されています。できるだけシックな色を使うことで、年代や性別、国籍を問わず、どのような人でもやすらぐようになっているのです。
そこでホテルライクなリビング・ダイニングづくりのルール、その1。『シックな色でまとめる』こと。
たとえばこちら。ベースはやわらかな白とアイボリー。壁のTVボードによってダークブラウンが加わり、空間に上品なコントラストとメリハリが生まれました。ちなみに壁ぎわのTVボードは、美しい黒檀をつかってオリジナルで製作。ホテルライクな家具にもこだわりましょう。あまりにシンプルな配色なのでついつい「赤いクッションでも置いてみようかしら」となりがちですが…ガマンしてください。
奇抜なカラーはNGです。このように「ちょっと物足りないかも…」という程度の色でまとめることで、素材の上質感が際立ち、ホテルのような格調が生まれます。
〈2〉木に包まれた、リゾートホテルのような寝室

一流のホテルでは、寝室も主役。家具やカーペット、クロスなどはすべて、高級感のある素材でまとめられています。素材感によって、ラグジュアリーな空気をつくっているのです。
こちらは”バリのリゾートホテル”をイメージしたホテルライクな寝室です。ベッドまわりを包み込むようにチークのパネルを。年輪がはっきりと現れた板目を使用することで、シンプルな空間に独特の表情が生まれています。
実はこれらのパネルは、梁やダクトによる凹凸を隠すためにつくったもの。デザイン性と機能性を兼ね備えているのです。壁全面を木のパネルにするのではなく、一部隙間を残すことで、ベッドヘッドのような仕上がりに。上下の板の間の壁には、紙を編んでつくったクロス。間接照明で照らせばクロスの凹凸が際立ち、よりラグジュアリーな雰囲気が生まれます。
ホテルライクな寝室にしたいなら、ぜひ”素材感”にこだわってみてください。
生活感を感じさせない、ホテルライクなダイニング
ホテルライクなリビングダイニングの大きな特徴は、生活感がまったくないこと。。
たとえばホテルなら、ハンガーやスリッパ、グラスやポット、冷蔵庫、場合によってはTVまで、収納の中にピシっと納まっています。
「それはホテルだからでしょ」なんて言わないでください。ホテルライクなマンションにリノベーションした後、そんな暮らしを実践している方は、実はたくさんいるんです。
ホテルライクなリビングダイニングの秘訣は、じつは”収納”にありました。
こちらのお住まいは、手前のダイニングから、奥のキッチンまで壁一面に収納を設けて、モノが一切でないように。たくさんお持ちの食器も家電もゴミ箱まで収納し、生活感を徹底的に排除しました。お持ちのモノやサイズに合わせて収納を計画すれば、どなたでもホテルライクな暮らしができるように。
〈4〉ゴージャスなワンルームでホテルライクなライフスタイルに

ホテルライクなワンルームにも憧れます。
ワンルームは、空間を広く使えることもメリット。こちらのお住まいは、浴室・トイレ・洗面所を一カ所にまとめて大空間をつくっています。
デザインは、お施主さまがお好きだというラグジュアリーホテルの一室を意識しました。これまでの1LDKと広さは変わっていないのに、よりゆったりとした開放感。生活感のない状態を保ちやすいよう、収納を充実させていることもポイントです。
キッチンは隠すのではなく、空間に溶け込むようなデザインに。調理器具やレンジフードはリビングから見えないように、奥にレイアウトしています。LDKの開放感を保ち、さらに生活感を見せない工夫によって、ホテルライクなインテリアを実現しました。
〈5〉間接照明のやわらかな光でホテルライクなリビングに

ホテルの部屋には、たくさんの間接照明が設置されていますね。就寝前は、ほの暗くしてワインを飲んだり、読書をしたり。ホテルライクな空間に欠かせないのが、こうした間接的な光です。
こちらは、リビングの下がり天井に間接照明を入れました。ご注目いただきたいのは、廊下に差し込む光。白いタイルに光が淡い模様を描いているのがおわかりでしょうか。光は4カ所から届いています。一つは、天井のスリットの中のスポットライト。もう1つは、正面のドア横のFIXガラスからこぼれる光。そして残りの2つは、左右の玄関と洗面室から注ぐ光です。
ホテルライクなリビングのポイントは、光源を見せないこと。光源が見えないように、わざわざスリットを設けてその中にライトを仕込みました。
住まいに間接照明のない場合、クッションや家具の裏にライトを仕込んでおく方法もあります。間接的な光を意識しながら、ホテルライクなリビングをつくってみてください。
〈6〉シンメトリーでホテルライクなリビングダイニング

ホテルの部屋を眺めると、あることに気がつきます。ベッドのサイドボードも、スタンドも、ソファの上のクッションもシンメトリー(左右対称)。空間に堂々とした美しさや威厳を表すためです。
こちらはあるタワーマンションをホテルライクにリノベーションしました。窓の外には宝石のような夜景。それらがひきたつように、窓を中心にシンメトリーにレイアウト。間接照明やガラス棚、コンセントの位置まで、すべてが左右対称です。窓周りの壁はチャコールグレーで景色をフレーミングし、額縁に入った絵画のように見せていることもポイントです。
リノベーションでは、収納や柱をつくったり、真ん中に暖炉を設けるなどし、シンメトリーを追求することがあります。
ホテルライクなリビングダイニングを目指す方は、ぜひシンメトリーを意識して家具を配置してみてください。
〈7〉美しいタイルづかいでパウダールームもホテルライクに

せっかくなら、水まわりもホテルライクに仕上げましょう。
こちらはゆったりした洗面カウンターに2ボウル。大きなミラーを入れて、間接照明で奥行きを感じられるようにしています。何といってもゴージャスなのが、床と壁に連続させた六角形のタイルです。非日常的なパウダールームは、いつもホテルで過ごしているようなリラックスした気分をもたらしてくれます。
〈まとめ〉ホテルライクな住まいは、キレイな状態をキープしやすい
ホテルライクな空間の作り方をご紹介しました。今回ご紹介した7つのルールをおさえることで、ホテルのような美しさ、心地よさが生まれるはずです。
「ホテルライクな家にしても、キープできなさそう…」 なんて思うかもしれませんが、先述したようにきちんとした収納計画を行えば、短時間ですぐに片付けられるようになります。それにホテルライクな空間だと「ずっとこの状態をキープしたい」という気持ちが働くので「これまでよりも掃除が好きになった」という方も。
これからリノベーションの計画がある方は、美しい空間をキープしやすいホテルライクな住まいを目指してみてはいかがでしょうか。邸内をホテルライクで統一することで、日々の暮しにゆとりが生まれます。
ホテルライクなリノベーションのポイント、事例をご紹介しています。ゆとりのある間取り、上質な素材。お好きなホテルで暮らすような贅沢な暮らしをリノベーションで叶えます。