上質なモノトーンインテリア、3つのルール | リノベーションスープ

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上質なモノトーンインテリア、3つのルール

上質なモノトーンインテリア、3つのルール
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「モノトーンインテリアって白・黒・グレーしか使わないんでしょ? かっこいいけど落ち着かなさそう…」なんていうイメージをお持ちの方もいらっしゃるのでは? たしかに、寒い季節にはほっこりとする暖色系のインテリアが恋しくなったりしますよね。しかし、そんな皆さんに知ってほしい。

コーディネート次第では、ぬくもりのあるモノトーンインテリアをつくることができます。

素材感、異素材との組み合わせ、陰影など、さまざまな角度からインテリアを計画していくことが大切です。これさえ理解すれば、後はご自分のセンスでモノトーンインテリアをアレンジできちゃいます。

これからご紹介する、プロがコーディネートしたリノベーション実例を参考に、モノトーンインテリアのノウハウをマスターしましょう。

1 モノトーンインテリアの〈光と影のルール〉

上質なモノトーンインテリア、3つのルール
白の陰影が美しいモノトーンインテリアをつくるならcraft

白をベースにしたモノトーンインテリアです。ここでポイントとなってくるのが、光と影の使い方。

白は光を拡散させる色です。白い床や壁は、光を部屋の隅々に広げてくれるため、明るく開放感を出したいときにはぴったりです。こういった理由から、むやみやたらに白を使って開放感をつくろうとする方もいらっしゃいます。しかし、これだとインテリアがのっぺりとした、あるいはガランとした印象になってしまうことも。

だからこそ、こちらのモノトーンインテリアでは”陰影”を重視しました。こちらのリビングの暖炉は、右側が手前にせり出した箱のようなデザインです。それによって空間に面の重なりと陰影が生まれ、リビングに深い表情を刻んでいることはおわかりでしょうか? これが陰影の効果です。暖炉なんて大げさなものでなくても、例えば白い花瓶やオブジェを棚に飾るだけで、影をつくることができます。

それ以外にも、ライティングで陰影を生み出すこともできます。リビングには玄関の光がこぼれ落ちるように注ぎ込み、間接照明やダウンライトの光がタイルにやわらかく拡散します。そこには何もないはずなのに、ほっとするような情感がただよっている。キャンドルの光を眺めるような、そんな心地よさを感じることができるでしょう。

モノトーンインテリアに、深い印象を生み出す光と影。ひとつ覚えておきましょう。

2 モノトーンインテリアの〈素材感のルール〉

上質なモノトーンインテリア、3つのルール
安らぎのあるモノトーンインテリアにリノベーションするならcraft

黒やグレーをベースにしたモノトーンインテリアは、よりクールで隙がなく、洗練された印象です。ただし、ハードルが高い。配色の分量が多すぎると重苦しくなってしまうし、「無機質すぎてくつろげない」という声も。

そうカンタンには手が出せなさそうなモノトーンインテリアですが、素材感によってはリラックスした雰囲気に変わります。

たとえばこちらのお住まい。グレーのタイルを使ったモノトーンインテリアです。モノトーンの中でも質感が豊かな素材を使い、くつろいだ雰囲気に仕上げまし た。たとえば、ダイニング・キッチンの床にはグレーのマットなタイルを貼っていますが、よく見ると美しい石目模様があらわれています。ダークブラウンのキッチンの側面には、かすかに木目が。モノトーンの色使いは一見クールなものの、ぬくもりある素材を使うことで、やさしい印象をつくり出しています。

このように質感が豊かな素材を使うことで、クールさのなかにぬくもりをプラスすることができます。モノトーンインテリアを目指す場合は、ただ黒くするのではなく、黒い石やタイル、木を使うなどして素材の違いをたのしめるようにコーディネートしてみましょう。

3 モノトーンインテリアの〈組み合わせのルール〉

上質なモノトーンインテリア、3つのルール
居心地のよいモノトーンインテリアにリノベーションするならcraft

モノトーンインテリアでは、質感がある素材を選ぶことがポイントとなっていることは先述しました。それに加えて、素材の組み合わせで居心地をよくする方法もあります。

ダークトーンをベースにしたモノトーンインテリア。黒いスーツに身を包んだハイブランドの店員さんのような近寄りがたさがありますね。しかし、店員さんがもしベージュのウールのセーターを着ていたら? 「こんなスカしたインテリアでも、この店員さんはいい人かもしれない。靴下くらい買っていこうかな」となりますよね。こちらのインテリアもそんな感じ。クールなモノトーンインテリアも、素材の組み合わせによっては、ぐっと親しみやすくなるのです。

たとえば、ダイニングテーブルやTVボード、カウンターや窓枠には木を使用しています。明るい木が、モノトーンインテリアにくつろぎを添えています。また、リビング・ダイニング・キッチンは、床材を3つに張り分けました。ダイニング・キッチンの床の一部にはナラの無垢フローリングを張り、バスルームに続く床には、タイルを。こちらのタイルは一枚一枚ふぞろいで、凹凸や歪みがあり、カチッとなりすぎないところがいいですね。さらに、リビングの床の火山石からは、自然の大らかさが伝わってくるようです。

「どのような空間が心地よいか」を考えながら、モノトーンインテリアに組み合わせる素材を選んでみましょう。

〈上級編〉水まわりもモノトーンインテリア

キッチンのモノトーンインテリア実例

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キッチンをモノトーンインテリアにリノベーションするならcraft

モノトーンインテリアを極めたいなら、キッチンにもこだわってみましょう。先ほどご紹介したように、ただモノトーンカラーでまとめるのではなく、「かっこいいのに居心地がいいな」と思えるようなテイストをつくることが大切です。ほどよく素材感を取り入れたモノトーンインテリアのキッチンをご紹介します。

こちらのキッチンの側面は、ダークブラウンの木板パネルです。上部には黒いフードレンジを設置。ステンレスの天板でスタイリッシュな印象をつくりつつ、サイドの壁に、流れるような石目模様のタイルを貼っておだやかさをプラスしています。背面の壁に貼った黒いモザイクタイルは、光が当たると質感がより際立ちます。素材感にこだわったモノトーンインテリアで、居心地のよいキッチンに生まれ変わりました。
 

洗面室のモノトーンインテリア実例

モノトーンインテリアの魅力がわかってきたら、洗面室やバスルームも、モノトーンインテリアで統一してみましょう。

プライベートな空間のため、ゲストには見えないかもしれませんが、邸内全体のテイストが統一されているほうが違和感なく過ごせます。

こ ちらはモノトーンの無機質な洗面室。壁はライトグレーで塗装しています。あえて塗りムラや刷毛跡が残るように塗装しているため、ミラー下やスリットの間接 照明の光が壁に当たると、おだやかな表情が生まれます。

加えて、洗面カウンターには古材を使用。釘穴や節穴が残る古材は、モノトーンインテリアに親しみやすさとラフさを生み出す効果が。

洗面カウンターの側面は黒皮鉄。表面に加工の跡や傷があらわれて無骨なものの、重厚で味わいのある素材感で洗面室を豊かに変えています。

クールさラフさ、趣が絶妙なバランスで交差する、モノトーンインテリアの洗面室の実例です。

まとめ

モノトーンインテリアというと、つくり込んだようなカッチリとした空間が頭に浮かびます。とてもじゃないけれど、スウェットを着てソファでゴロゴロしたりできなさそうですね。しかし、今回ご紹介したように、素材感や異素材との組み合わせ、光の陰影などにこだわることで、洗練されているのに居心地がよいモノトーンインテリアをつくることができます。

・モノトーンインテリアに、壁の重なりや凹凸で陰影をつくると表情が生まれる
・モノトーンインテリアに、石や木の素材感にこだわると居心地のよさが生まれる
・モノトーンインテリアに、まったく違った色や素材感を組み合わせると、親しみやすさが生まれる

モノトーンインテリアは究極のシンプルである反面、ディテールにこだわればこだわるほど、それに応えてくれます。究極にシンプルで、イメージをしなやかに変えることができるのがモノトーンインテリア。「ここは絶対に黒」とか「やっぱりスチールじゃなきゃ」なんて、雑誌で見るようなステレオタイプのモノトーンインテリアにとらわれず、ご自身のアイデアで、心地よさを感じるモノトーンインテリアをつくってみましょう。

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