トップインタビュー『sangetsu/サンゲツ』前編 | リノベーションスープ

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トップインタビュー『sangetsu/サンゲツ』前編

1849年(嘉永2年)に創業し、今年で170年を迎えたサンゲツ。

国内外の一流メーカーとコラボレーションしながら、オリジナルの新商品を次々に開発してきました。

「サンゲツの名前で世に出すからには、よいものをつくりたい」と話す、サンゲツの安田正介社長にお話をうかがいました。

1849年(嘉永2年)、「山月堂」として暖簾を掲げる

サンゲツ 社長インタビュー

ーーーサンゲツというと”内装業界のガリバー”というイメージがあります。クロスやカーテンを選ぶとき「ひとまずサンゲツに行ってみようか」というような…。いつからこのように大きな会社になったのでしょうか?

安田社長
サンゲツは1849年(江戸・嘉永2年)に、「山月堂」として暖簾を掲げました。襖や屏風、障子を設える表具師だったんですね。その職人からやがて、襖材料を売る商売に転換していった。戦後は住宅が洋風化する中でクロスを手がけるようになり、急成長してきたんです。

ーーー江戸時代から! サンゲツの見本帳を見るたびに、デザインにとてもこだわっていらっしゃるし、商品のバリエーションにも驚かされます。「表具師」のDNAが根付いているんでしょうね。

安田社長
どれもサンゲツのオリジナル商品なんですよ。クロスやガラスフィルム、化粧フィルムなどの壁装材をはじめ、床材、ファブリックまで、国内外のメーカーと協力しながら開発しています。

デザインがよくても、現場で施工しづらいのはよくない

サンゲツ 社長インタビュー

ーーーサンゲツには約30名のデザイナーがいるとうかがっていますが、商社ではなくメーカーとしての役割が強いですね。安田社長がデザインに意見することはありますか?

安田社長
ありません。デザインには、個人的な好みがあるでしょう。私が『これはあんまり好きじゃないな』と言うと、社員があわてて引っ込めたりしますから(笑)。商品開発担当者に任せて、私はできるだけ余計なことは言わないようにしています。

ーーーなるほど、鶴の一声を避けて…。ちなみに商品開発では、どのようなことを重視されていますか?

安田社長
「デザイン性」「機能性」「施工性」の3つのバランスです。

ーーー「施工性」ですか?

サンゲツ 社長インタビュー

安田社長
職人さんの工事のしやすさですね。たとえばクロスはデザインがよくても、薄くて現場で施工しづらいのはよくない。ただしあまりにも分厚いと、貼りやすいけど意匠性が落ちる。お施主さまや設計者さん、コーディネーターさんだけでなく、実際に貼る内装施工業者さんも私たちの大切なお客さまですから。どちらにも「いいな」と思っていただかなければダメなんです。

ーーーお客さまは、いろいろな立場の方がいらっしゃる。それぞれの目線を大切にして、新商品を開発なさっているんですね。

「ライフスタイル」をイメージできる体験型ショールーム

サンゲツ 社長インタビュー

ーーーそれにしても品川ショールームは、想像していたものと違いました。たくさんの商品がただ並べられている…のではなく、空間ごとにコーディネートされ、ライフスタイルをイメージしやすくなっていますね。

サンゲツ 社長インタビュー

安田社長
ええ。ショールーム特徴のひとつは、商品数の多さです。品川ショールームは、クロスだけでも4300種類ほどあります。これだけラインナップのあるショールームは、世界中探してもおそらくここだけだと思います。

もうひとつの特徴は、ショールーム内に設けた”スタイルショーケース”と呼ばれる12のモデルブースにて、壁紙・床材・カーテン・椅子生地などをトータルコーディネートしていること。打ち合わせテーブルでは、お客さまご自身で大きなサンプルを自由に取り出し「この床にはこのクロスがいいね」と、組み合わせてご覧いただくこともできます。

休日も平日も、たくさんの方にお越しいただいていています。

サンゲツは全点在庫で、ジャストインタイム

サンゲツ 社長インタビュー

写真:中央建物のワンフロアが東京ロジスティクスセンター

ーーーサンゲツはジャストインタイム(受注後即納品)のため、約12000点のアイテムを全国の物流拠点にストックされているそうですね。

安田社長
はい。ご注文頂いて、品切れしているようなことがあるとお客様にご迷惑をお掛けしてしまいますから、基本的には全点常備在庫としています。2021年に予定している関西ロジスティクスセンターの新設・統合後は、全国の物流スペースの合計は東京ドーム5つ分になります。首都圏は平和島6700坪と久喜に12000坪の二拠点から配送するため、発注時間によっては当日お届けできることも。

もし品切れがあれば他の拠点から翌朝までに届ける、ということも行っています。ですから、絶対的な欠品というのは少ないんですね。

ーーー発注したクロスが当日届く…。ジャストインタイムにこだわるのは、やはり求められているからですか?

安田社長
もちろんそうです。世界に比べても、日本の住宅はクロス仕上げが多いんです。でも施工現場では、内装工事は最後の最後になるため、発注がギリギリになってしまいます。そんな日本の建築業界でクロスのシェアが高いのは、こうしたデリバリーサービスがあるからだと思うんですよ。安定した物流体制が「サンゲツに頼めば大丈夫」というご信頼につながっています。

サンゲツの強みは、クロス・床材・ファブリックの総合提案力

サンゲツ 社長インタビュー

ーーーそうした物流機能もかなりの強みだと思うんですが、サンゲツの一番の強みはどこにあると思われますか?

安田社長
「商品の総合提案力」です。クロスはクロスメーカー、床材は床材メーカーというのが一般的で、両方を取り扱っている会社はほとんどありません。欧米では「クロスとカーテン」などはありますが、我々のような規模でやってるところはないでしょう。

ーーーいろいろなショールームを巡るのは楽しくもありますが、おっしゃる通り、一箇所で選べると空間をコーディネートしやすいですね。

インタビュー後記

「こちらのショールームは初めてですか? それならご案内しましょう」と、安田社長。みんなを誘導するようにスマートに歩きながら、リズムある口調でひとつひとつの製品を説明してくださった安田社長。

「木目の凹凸がはっきり出てるでしょう。実はシートなんですよ」「このカーベットは毛が詰まってるから、汚れが落ちやすいんです」など、楽しそうなご様子で、商品への強い想いをうかがわせます。

後編では、安田社長が三菱商事退職後、サンゲツの社長に就任したきっかけ、サンゲツで行った改革のほか、ご自宅のインテリアやプライベートなこともうかがいました。

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壁紙・床材・カーテンなどインテリア商品を多彩に取りそろえ、「トータルコーディネート」を可能に。 国内外の一流メーカーとコラボレーションしながら、オリジナル商品を開発しています。

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