『禅』に救われた僧侶・君島真実さんにインタビュー 前編 | リノベーションスープ

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『禅』に救われた僧侶・君島真実さんにインタビュー 前編

坐禅東京・イベント

曹洞宗の僧侶・君島真実(きみじましんじつ)さん。週一回は東京を訪れ、会議をしたり、坐禅会を開いたり、バンド活動をしたり。バリエーション豊かなハードスケジュールを、実にスマートにこなしているように見えます。

「実はすごくストレスを感じるタイプ。『忙殺されてる』と感じたら坐禅を組みます」

厳かな雰囲気とは一転、とても親しみやすい口調で、”禅のメリット”や”日常での取り入れ方”について話してくださいました。

禅は『普段の暮らし』のなかに、誰でも取り入れられる

曹洞宗・君島真実さんインタビュー

―――初歩的な質問でごめんなさい。もともと、坐禅はなんのためにあるものなのでしょうか?

君島さん
坐禅のルーツを辿っていくと、ヨガにつながるんですよね。ヨガのさまざまなポーズで身体をやわらかくして、心を落ち着けて、最後に坐禅して瞑想する。坐禅は”瞑想のポーズ”なんですね。

―――そうだったんですか。君島さんが在籍する曹洞宗は『坐禅に重きを置いている』とうかがいました。

君島さん
ええ。曹洞宗は、お釈迦様が坐禅でお悟りを開いたということから、坐禅が教えの根幹となっています。ですから修行道場では、禅の心をキープした状態で日常生活を送るんです。

―――禅の心で日常生活…。そんなことができるんですか?

君島さん
道場では、すべての動きに作法があるんですよ。それを、坐禅のときの気持ちでただ淡々とやる。『どれだけ丁寧にやるか』ってことが大切になってくるんです。

仕事が忙しい時、一日の終わりに。坐禅は心を落ち着かせてくれる

曹洞宗・君島真実さんインタビュー

―――ところで君島さん、プライベートで坐禅を組むことはありますか?

君島さん
もちろんです。仕事がたくさん溜っているときって、「アレもコレもしなきゃ」って落ち着かないんですよね。ただそこに忙殺されている状態。もう心も身体もいっぱいいっぱい。

でも5分でも禅を組むと、すっと普段の自分に戻る瞬間がある。すると冷静になって「次はコレをやろう」と切り替えができるんです。

それと私は、家族が寝静まった時間に居間で坐禅を組んでいます。すっごく心が落ち着きますよ。おかげで毎日安眠です(笑)。

―――禅のおかげで、おだやかな日常を送られているんですね。

君島さん
はい。それに、椅子に座ったり、歩きながらでも禅はできますから。たとえばオフィスで「ちょっと頭が疲れたな」なんてときにも、椅子に座ったまま禅が組めます。私も「今日の会議で何を話そう」とモヤモヤしたときに、歩きながら瞑想するんですよ。

ポジティブじゃなくても、何かを得なくても、かまわない

曹洞宗・君島真実さんインタビュー

―――いつでもどこでも、坐禅は組めるんですね。心がフラットになれば、ちょっと冷静になって、モノゴトの捉え方が変わりそうです。

君島さん
ええ。きっとみんな「こうじゃなきゃダメだ」って思ってるんです。ポジティブじゃなきゃいけない。習い事をしたら、何かを得なきゃいけないって。

坐禅は「そのままで大丈夫だよ」と教えてくれます。何にも染まっていない自分に戻ることができる。「何があっても、安心していいんだよ」と気付かせてくれるんですよ。

戦うのではなく、受け入れたり、受け流したり、観察したりする

曹洞宗・君島真実さんインタビュー

―――私が思ってたより、坐禅って自由なんですね。君島さんにとって坐禅とは何ですか?

君島さん
『安心』させてくれる方法です。

どんな人でも、ストレスは常にかかっている。それに対して、”どう反応するか”で変わってくるんです。「もうダメだ」と思うか「なんとかなる」と思うか。そんなときに、「なんとかなる」という気持ちにもっていってくれるのが坐禅なんですよね。

―――坐禅が、”心のおだやかさ”をつくってくれるんですね。

君島さん
そう。仏教の根底には、「人生は思い通りにならない」という考えがある。人は病気になるし、老いるし、死んでしまう。これってキツいことじゃないですか。現実として受け止めるのは。

―――はい。どうしたって抗うことはできません。

君島さん
仏教は、「そんな世の中でどうやって不安・苦しみとともに生きるか」という教えなんですね

外部からの圧力と戦うのではなく、受け入れたり、受け流したり、観察したりする。

たとえば、何か言われてうれしかったり、悲しかったり。そういったものを、冷静に見つめて観察する。「今、自分に何が起きているか?」を冷静に考えると、すんなり対処できたりするわけです。

10/14(日)座禅会を開催! @クラフトの青山モデルルーム

曹洞宗・君島真実さんインタビュー
クラフト青山モデルルーム

―――そういえば、10/14(日)に、君島さんが青山モデルルームで坐禅会をやってくださると聞いて、楽しみにしています。君島さんのように、いつでもどこでも禅が組めるようになりますか?

君島さん
すぐには難しいかもしれませんが…。一日坐禅体験で学んだことを、楽しみながら暮らしに取り入れていただきたい。坐禅のポイントは少ししかないので、覚えてもらいやすいんじゃないかな、と思いますね。とにかく続けることが大事です。

すぐに気がつかなくてもいいんです。2日に1回、5分でもいい。続けていくうちに、わかることがあるはずです。

インタビュー後編では、君島さんと禅との出会いについてお聞きしました。

坐禅イベント概要

クラフトの青山モデルルームで、君島さんによる坐禅会を開催します。
坐禅や歩く坐禅、それから為になるお話も。

◯日時:10/14(日) 10:00~(1.5時間) イベントは終了いたしました。
◯場所:青山モデルルーム
東京都港区南青山5-15-9 フラット青山205
「表参道駅」B3出口より徒歩7分
 Googleマップ
◯定員:10名
定員を超えてご応募いただいた場合は、抽選とさせていただきます。抽選結果は、10/6(土)頃ご連絡差し上げる予定です。
◯お申込み締め切り:2018年10月11日(木)
◯参加費:無料 (お布施は受け付けます)
◯応募方法:下記専用フォーム
※ご同行の方がいらっしゃる場合は、その方のお名前もご記入ください。

*当日はパンツスタイル・身体を締め付けない服装でお越しください。
*皆様の様子を撮影し、webで使用させていただくことがあります。
 掲載不可の方は、事前にお申し出ください。
*会場には駐車場のご用意がございません。
 お車でご来場の場合は近隣コインパーキングをご利用ください。

〈プロフィール〉
君島真実(きみじましんじつ)
1980年生まれ。
駒澤大学仏教学部卒
國學院大學大学院文学研究科博士課程前期修了
平成16年 曹洞宗大本山永平寺安居
現在は栃木県那須塩原市高林寺の副住職として檀務を行う他、曹洞宗総合研究センター委託研究員として〈朝活禅〉〈Earth禅堂プロジェクト〉〈曹洞宗法要ライブ法悦〉などの企画運営に携わる。また月に一度、東京四谷東長寺の〈お粥と坐禅の会〉にて坐禅指導を行っている。

坐禅イベントへのご参加ご希望の方は、こちらのフォームからお申込みください。定員を超えた場合は、大変恐縮ですが抽選とさせていただきます。
坐禅イベントのお申込みはこちら

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