「玄関が暗い」というお悩み。
それほど深刻ではないものの、決して忘れることはできません。なぜなら玄関は毎日使う場所だから。
暗い玄関を明るくするには、インテリアを工夫する、明るい照明をつける、スリットドアに替える….など、さまざまな方法があります。
今回は、「玄関が暗い」対策をリノベーション事例からご紹介。あなたにとってベストの方法が見つかるはずです。
「玄関が暗い」という悩みを解消したリノベ事例
〈1〉入り口にガラスのドアとFIX
リビングのドアおよび壁をガラスにする。
ガラスを通じてリビングの明るい自然光が玄関へ届き、これまでなかったような明るさと開放感を得られます。最近では高級マンションにも、この方法が取り入れられることもあるようです。
玄関から室内を見せたくない場合は、スリガラスやファブリックガラスにするとよいでしょう。視線をおだやかに遮りながらも、やわらかな光をたっぷりと届けてくれます。
このガラスが効果的に作用するのは、玄関ホールとリビングの入り口の距離が近い場合だけ。廊下が長かったり、クランクしていたりすると、適切ではないかもしれません。設計士と相談しながら検討しましょう。
〈2〉間仕切りにガラスブロックに
ガラスブロックは、壁でありながら光を透し、壁でありながら自然をおだやかに遮ることができます。”光を透す壁”として、昔から光が届きづらいスペースに使われてきました。とくに玄関ドアを交換したり、外壁を開口できないマンションに有効です。
こちらは、北側で暗かった玄関。そこで隣室との間仕切りにガラスブロックを使用しました。隣室の窓から注ぐ光が、ガラスブロックを通して玄関に注ぎ、床の光沢あるタイルにたっぷりと広がります。乳白ガラスを使って、よりやさしい雰囲気に仕上げるのもよさそうです。
淡くやわらかな光をたのしめることも,ガラスブロックの魅力です。
〈3〉反射率の高い白でまとめる
内装の色の反射率を考えたことはありますか?
黒い壁の反射率は約5%なのに対し、白い壁の反射率は約85%だと言われています。照明や採光を考えることはもちろん大切ですが、「白は黒の17倍も明るい」ということを利用しない手はありません。
こちらは床・壁・天井を白で統一することにより、明るい玄関に仕上げています。ただし、同じ白でも素材によって、光の広がり方は違うもの。そこで土間~階段~ホールまで、同一の艶やかなタイルを貼りました。正面のガラスブロックから注ぐ光をふんだんに反射しています。
床の連続により伸びやかさを演出しつつ、光が美しく反射する明るい玄関に生まれ変わっています。
〈4〉天井高を上げてシャンデリア
美しいカットガラスが連なるシャンデリア。宝石のような光のプリズムを取り入れるのも1つの方法です。
こちらの玄関は、イタリア製の大きなシャンデリアを設置するため天井高をアップしました。配光角度が広いため、光は床と壁、さらに天井まで広がり、明るくゴージャスな雰囲気に。
ただし”実際に玄関が明るくなるか”と問われると、そうとも言えません。「燦々ときらめくシャンデリアを眺めていると、華やかな気分になる…」いった心理的効果を期待した方がよいでしょう。
ダウンライトと併用するなどして、玄関を明るく美しく彩ってみましょう。
〈5〉玄関の暗さを逆手にとる
「玄関が暗い」というなら、あえて暗さを活かすのも1つの手かもしれません。
ほの暗い玄関の床には、自然の風化を感じさせる石調タイルを貼りました。手で割ったような荒々しさは、大きな土間スペースに敷くことで一層存在感を増しています。
サイドの壁一面にはアンティーク煉瓦を。ダウンライトと収納下の間接照明によって、アンティーク煉瓦の凹凸が際立ち、また陰影が生まれ、より印象を深めています。役物のタイルで美しく仕上げたコーナーが、アンティーク煉瓦がその奥の空間まで続いていることを予感させるようです。
まとめ
「玄関が暗い」というお悩みを、リノベーションで解決する方法をご紹介しました。
一戸建であれば「玄関ドアをスリットタイプに」「小窓を設ける」という選択肢があります。しかし、共用部分を工事できないマンションだとそうはいきませんよね。そこで今回ご紹介したように
・リビングの入り口をガラスの建具とFIXガラスに
・間仕切り壁をガラスブロックに
・白でまとめて光を拡散
・天井を上げてシャンデリア
・玄関の暗さを活かしたインテリア
という方法が出てくるわけです。
他にも玄関を明るくするためにはいくつかの方法があります。リノベーション会社のデザイナーに現状を伝え、まずはどのような選択肢があるかを聞いてみましょう。