耐震リフォームするなら今? 木造住宅の弱点を知る | リノベーションスープ

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耐震リフォームするなら今? 木造住宅の弱点を知る

耐震リフォームするなら今? 木造住宅の弱点を知る
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「うちも耐震リフォームしたほうがいいかも…」

2011年の東日本大震災からわずか5年。まだまだ東日本の復興が終わらないうちに、熊本地震が発生しました。「地震大国の日本に、安全な場所はない」ということを確信した方は多いのではないでしょうか。

今回は、「耐震リフォームすべきかどうか」の判断基準をご紹介。耐震リフォームをすべきかどうか迷っている方が、「ちょっとヤバいかな」「まだ大丈夫」と、ご自身でなんとなく判断していただければうれしいです。

耐震性はどうやって決まるの?

耐震リフォームしようにも、「耐震リフォームってなに?」という定義がわからないと、手のほどこしようがありません。「耐震性が高い」「耐震性が低い」なんて言われていますが、そもそも誰がどうやって判断しているの?

というわけで、耐震性が決まるポイントをご紹介します。

〈地盤〉
地盤がゆるいと、地震の影響をダイレクトに受けます。その土地の代表は〈盛り土〉。山を切り崩し、その土砂を使って川や谷を埋め立てた土地です。また海や川、田んぼを埋め立てた土地も地盤がゆるく、地盤が固まるまでに長い年月がかかります。ご心配な方は、昔どのような用途で使われていた土地かを調べてみましょう。

〈重量〉
建物が重ければ重いほど、地震の揺れを受けやすくなります。平屋よりも2階建て、3階建てのほうが重い。またスレート屋根(薄い板状の部材)や金属屋根よりも、瓦屋根のほうが重いですね。耐震リフォームでは、軽いスレート屋根などに葺きかえて軽量化するなどの処置をとります。

〈壁量〉
木造住宅では、壁が地震の力を水平に受け止める役割を担っています(耐力壁)。そのため耐震基準では、平屋、2階建て、3階建てごとに必要な壁量が定められています。さらに「重い瓦屋根か」「軽いスレート屋根か」によっても必要な壁量が違います。この壁がバランスよく配置されていなければなりません。

〈床〉
耐力壁が十分だとしても、床の水平面の強度がなければ建物は壊れてしまいます。また剛性が高い(変形しづらい)ことも大切です。剛性が高ければ高いほど、地震の影響を受けにくくなります。フタを開けっ放しの段ボールと、きちんとフタをした段ボール。ナナメから押したときにねじれやすいのは、どちらだと思いますか? 剛性の高い床は、強固なフタをとりつけるのと同じです。

〈接合部〉
土台や柱、梁など、木造住宅は接合部が多いです。この接合部こそが木造住宅の弱点。ここがしっかりと接合されていなければ、地震の揺れで部材が抜けて、住まいが壊れてしまいます。平成12年6月の建築基準法では、この接合部を金物補強することが義務づけられました。

この5つを総合し、「耐震性が高い」「耐震性が低い」などを判断しています。

「耐震リフォームをしたほうがいい」住まいはコレ!

「耐震リフォームをしたほうがいいかも…」という住まいの特徴をまとめました。ちょっとでも当てはまっていたら、リフォーム会社に相談しましょう。

〈1981年よりも前に建てられた〉
正確に言うと、新耐震基準が施行された1981年6月1日以前に建築確認を受けた建物です。1981年以降の家が100%安全というわけではありません。しかし1995年の阪神淡路大震災では、それ以降の建物の倒壊が少なかったようです。

〈バランスが悪い〉
はたから見てもわかるように、バランスが悪くて不安定な建物です。たとえば、キャンティレバー(2階分がせり出している)や、1階より2階がボリュームがある構造。1階の柱だけで2階を支えているピロティーのある建物も、耐震的には不安定です。また平面的にコの字、L字型の住まいもバランスが悪く、地震でとねじれて倒壊の原因になります。

〈1階の壁が少ない〉
1階が駐車場だったり、お店で大きなガラスがあったりすると、壁量が少なく危険です。1階の壁量が少ないと、2階を支える力が不足して耐震性が下がります。地震が起きると1階だけが倒壊してしまう恐れがあります。

〈老朽化〉
築年数が古くても、しっかりとメンテナンスをしていれば問題ありません。それよりも、柱が腐っていたり、シロアリの被害を受けていたり、外壁にクラックがあったり、雨漏りがあったり。耐久性に不安がある=耐震性も不安です。

耐震リフォーム”1981年神話” は信じていいの?

「1981年よりも後に建てられているから安心」

なんて聞いたことはありませんか? たしかに耐震リフォームすべきかどうかを迷っているとき、1981年はひとつの判断基準となります。ポイントは1981年以降に建てられたか、または2000年以降に建てられたか。

え?2つあるんですか?

そうです。大きな地震があるたびに、その教訓から建築基準法が厳しくなります。

〈1981年の改正〉
宮城県沖地震でたくさんの木造住宅が倒壊。それを受けて、筋交いをこれまでの約1.5倍にし、布基礎に鉄骨を入れるように改正されました。

〈2000年の改正〉
阪神淡路大震災の震度7の地震によって、1981年以降の建物であっても柱の接合部が引き抜かれて倒壊。それを受け、接合部に補強金物を設置すること、耐力壁をバランスのよく配置することが定められました。

つまり、改正が新しければ新しいほど厳しくなります。

〈Aランク〉2000年以降の建物…震度7の地震にも耐えられる。基本は耐震リフォームの必要なし
〈Bランク〉1981年以降の建物…建物ごとに耐震性の差が大きい。あらためて耐震診断の必要あり
〈Cランク〉1981年以前の建物…危険。絶対に耐震リフォームしたい

まとめ

耐震リフォームをすべきかどうかを判断する指針をまとめましたが、いかがでしょうか。

ただし、ご自身で100%判断するのは無理だと思います。これを見て「やったほうがいいかな」と思ったら、専門家に相談し、耐震診断をしてもらいましょう。

一方で「耐震リフォームをしようと思っても、なかなかモチベーションが上がらない」という声を聞きます。見た目はそんなに変わらず、「リフォームした!」という実感がわきにくいからです。

しかし、「ドアにカギをつけないとドロボーが入りますよ」と言われてあなたは、「カギ付けたって、誰もわからないのでいりません」なんて言えますか?

そこでおすすめしたいのが、間取りやデザイン変更のリフォームのタイミングで耐震診断・補強を行うこと。

スケルトンリフォームでは、構造体を残してゼロの状態にします。基礎や柱、梁が露出するため、耐震チェックをしやすい。構造・基礎・地盤の状態をしっかりとチェックし、必要があれば補強を計画します。後から耐震リフォームするよりも、こちらのほうが経済的です。

堅牢かつ美しく生まれ変わった我が家に、きっと満足できるでしょう。

耐震診断やスケルトン状態での目視チェックの結果、必要があれば補強します。後から耐震リフォームをするよりも、ぐっとコストダウンに。
 
耐震リフォームcraft 

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