コロナ禍をきっかけに住まいのインテリアを見直して、自宅での時間を充実させる方も増えてきました。そのなかで暮らしを彩る「アート」が注目を集めています。
「アート」といっても額縁に入っている絵画だけがアートではなく、身近にあるものも飾り方によってはアート作品のように魅せることができます。そうした「今すぐできるアイデア」もご紹介。ぜひ参考にしてください。
アートの飾り方【リビング】
リビングの一角を彩るアートスペース。チェストに置いたオブジェと、絵画のトーンを合わせてバランスよくレイアウトしました。背景に広がるみずみずしい緑と調和するよう、主張しすぎないやさしい色味でまとめています。
こちらのリビングに飾られているのは、ドイツのハンブルグで1976年に開催された〈Portfolio 9×5konkret〉のヴィンテージポスター。
ポスターとクッションをモノトーンで揃えて、ハンス・J・ウェグナーの名作チェアとともに。
シンメトリーに配置することで、整然とした美しさを演出しています。
アートの飾り方【ダイニング】
本は、自分らしさを表現するアイテムのひとつ。ダイニングの壁に造作した天井まで高さのある書棚に、アートを飾るような感覚で、パリで購入した古書を収めました。棚板の高さは、お持ちの書籍のなかでいちばん大きなサイズに合わせています。
棚の列ごとに本の色を揃えて、すっきりと洗練された印象に。両サイドに小物を置き、ボリュームがある書籍とのバランスを取っています。特に美しい装丁の書籍は、表紙を正面に向けて飾るのも素敵です。
ダイニングの一角、バイオエタノール暖炉のマントルピースの側にアートを飾っています。絵画はネイビーの壁とリンクしたブルー系をチョイス。傍らに小物や花をにぎやかに飾り、空間にあたたかな彩りを加えています。
お好きな絵や小物、フラワーベースなどを一箇所にまとめると、ご自身の「好き」が軸になって統一感が出ます。アイテムのジャンルにこだわらず、好きなものを集めてみましょう。
アートの飾り方【玄関】
廊下にニッチを設けました。亜麻色に白いモルタルを重ね、なじませていく左官仕上げ。塗りムラやコテ跡を残し、職人さんの手しごとが伝わるあたたかなスペースです。飾ったものを引き立てるスポットライトは、小物の位置に合わせて移動できる可動式です。こうした無彩色のモルタルには、テクスチャーのある小物がよく映えます。
小物は間隔を空けて配置すると、洗練された印象に。ゲストを迎える玄関だから、季節ごとに飾るものを入れ替えて、四季を演出するのも素敵ですね。
玄関の正面には、連続する石壁。その中央にせり出すような大理石の壁を設けてアートスペースとしました。その上部には、専用のスポットライトを配置しています。暗くなりがちな玄関をぱっと明るくするようなお花の絵画が、訪れる人をお出迎え。石壁と大理石の自然な風合いが、鮮やかなアートを引き立てます。
アートの飾り方【寝室】
壁に立てかけておくだけでも、気軽にアートを楽しむことができます。こちらの寝室はベッドヘッドのカウンターに、シリーズのアートを並べて飾りました。
絵画の落ち着いた色味と大胆なストロークが、心地よい眠りに誘ってくれそうな、ゆったりとした空間を演出しています。シンプルなアートが引き立つように、周囲をすっきりとまとめているのもポイントです。
お部屋のインテリアの色やトーンを合わせると、アートがなじみやすくなります。
アートの飾り方【トイレ】
初めてアートを飾るのなら、まずはコンパクトな空間から雰囲気を変えてみるのがおすすめです。
こちらは、トイレの正面に飾ったアート。ダークなモノトーンで統一した空間に、色味を加えるアクセントになります。
ダウンライトがアートを際立たせ、自然に視線を誘導します。
アートの飾り方【キッチン】
アートをキッチンに飾るアイデアです。作業スペースと捉えがちな場所も、アートを飾れば居心地のよい空間に。ネイビーのキャビネットに合わせ、爽やかなブルー系の絵画を選びました。
キッチンは壁面の面積が小さいため、ミニサイズのアートがおすすめ。家事の合間にお気に入りのアートを眺められれば、小さな楽しみが生まれそうです。
アートの飾り方【階段】
階段吹き抜けの縦長の壁。このような大空間なら、大きなアートもバランスよく飾れます。
線画のアートと黒い額縁。さらに手前に重なるアイアンの細い手すりが調和して、まるでアートの一部のような印象に。
白い壁とグリーンのアートの組み合わせが、周囲に置かれた観葉植物と同様に爽やかな雰囲気を醸し出しています。
まとめ
「気軽に」アートを取り入れる方法をご紹介しました。ポイントをおさらいしましょう。
・アートの色やトーンを、お部屋の家具やファブリックと合わせて統一感を出す
・アートを引き立てたいなら、周囲をシンプルにする
・壁にかけずに置くだけも飾ることができる
・飾るものを厳選すると洗練された印象に
・たくさん並べる場合は、色や素材を統一してテーマ性を持たせる
・飾る場所の大きさに合わせてアートのサイズを選ぶ
アートもインテリア小物と同じような感覚で、気軽に取り入れてみることが大切。「何を選んだらよいかわからない」という場合は、「自分が好きか、嫌いかを軸に選ぶ」ことからスタートしてみましょう。
アートのサブスクもおすすめです。毎月定額の支払いでレンタルでき、気分に合わせて定期的に交換。もし気に入ったら購入もできるので、失敗リスクが少なくなります。
最後になりますが、もしリフォームのご予定があるなら、アートスペースがほしいことをぜひデザイナーに伝えてください。アートを美しくディスプレイできる住まいを計画してくれるはずです。
アートのある住まい事例を多数ご紹介しています。お気に入りの絵画やポスターを飾って、毎日の暮らしにアートの彩りをプラス。