みなさん、毎日入浴していますか?
入浴は身体をあたためるだけでなく、リラックス効果があります。お仕事がある平日はなかなか難しいかもしれませんが、週末だけでも時間をゆっくりと入りたいものですね。
最近はバスルームでキャンドルを灯したり、バスオイルを入れたり、読書をしたり。ときにはレモンやバラの花びらを浮かべてみたりと、バスタイムをたのしんでいる人が増えているようです。
心地よいバスタイムに欠かせないのが心地よいバスルームです。今回はバスルームのリフォームの方法と、ワガママなご希望を叶えたいくつかの実例をご紹介します。
バスルームをリフォームする前に知っておきたいこと
バスルームをリフォームする方に知っておいてほしいのが、〈既製のユニットバス〉〈オーダーユニットバス〉〈在来工法〉の3つ方法があること。デザインや素材の自由度、コスト、工期などが変わってきますので、「どの方法でリフォームするか」をじっくり検討する必要があります。
でもどうやって決めたらいいの?
機能性は間違いなし!〈既製のユニットバス〉
ユニットバスというと、トイレとバスタブが一緒になったものをイメージする方もいらっしゃるのでは? 実は、私もそう思っていました。しかし、ユニットとは、床・壁・天井が一体になっていることらしいです。ユニットバスメーカーが工場で製造した浴槽や、床・壁・天井を現場で組み立ててつくります。
在来工法よりも防水性・保温性が高く、短い工期で完成。既製品のためサイズが制限があるものの、低コストで高性能な浴室に仕上げることができ、リフォームでもよく使用されます。
冬でも足元があたたかい〈ほっカラリ床〉、身体にやさしい〈ミストサウナ〉、保温効果があり経済的な〈魔法瓶浴槽〉など、各メーカーが競い合って、次々に高性能なユニットバスを開発していますね。掃除のしやすさに配慮されていることも特徴。ぜひショールームに行って、機能性をためしてみましょう。ちょっとたのしいです。
デザインの幅がぐっと広がる!〈オーダーユニットバス〉
オーダーユニットバスは、既製のユニットバスと在来工法のちょうど中間のようなもの。既製のユニットバスよりも機能とデザイン、素材の自由度が高いことがポイントです。
ユニットバスの防水性・保温性はそのままで、在来工法とまではいかないまでも、プランの自由度が高くなります。上質な素材を組み合わせ、ホテルのようにゴージャスなバスルームにしたり、檜のバスタブを設けて温泉のようにしたり。バスタブや水栓、蛇口にはメーカーの既製品を使用しますが、かなりイメージに近いバスルームにリフォームができます。
コストはというと、在来工法よりもお手頃ですが、ユニットバスよりはお値段がかります。メリットもデメリットも、ちょうどユニットバスと在来工法の中間といったところでしょうか。「バスタイムが長いので、やっぱり居心地のよさにこだわりたい」という方におすすめです。
イメージを忠実に再現したいなら〈在来工法〉
一戸建てに多いのですが、バスルームが特殊な形状をしていることってありますよね? 在来工法ならスペースに合わせてつくることができるため、デッドスペースをつくらず、ゆったりとしたバスルームが誕生します。
在来工法のバスルームのリフォームは、防水工事、排水設備、石やタイル貼りなども含めてすべて職人さんが現地で施工します。窓の位置から床・壁・天井、またバスタブの素材まで、すべて自由です。窓を大きくしてみたり、浴槽を人研ぎ仕上げでつくってみたり。アマンだろうがハマンだろうが思い描いているバスルームをいくらでも実現できそうです。
ただし、3つの方法のなかでコストはダントツ。工期も長くなるため、引っ越しまでに余裕がなければ厳しいかもしれません。リフォームで”どこにコストをかけるか”というのは人それぞれです。しかしあなたがお風呂が大好きで、「バスタイムこそが日々の癒しだわ」という信念をお持ちであれば、バスルームのリフォームは在来工法がおすすめです。
実例1 夜景を望むバスルームにリフォーム
こちらはベージュでまとめて上品で落ち着いた雰囲気に。床と壁にはサイズの異なるタイルを使用。浴槽のエプロン(バスタブまわりの立ち上がりの腰壁)にも床と同じタイルを貼り、伸びやかな印象に仕上げました。
しかし、こちらのバスルームの一番のリフォームポイントは、外に面した窓がないのに夜景を眺められるようにしたこと。バスルームに大きな窓を設け、この窓から、隣室の窓からの夜景を取り込めようにしました。
水まわりの移動が制限されてしまうマンションならではのアイデアです。
実例2 海につながるような贅沢なバスルームにリフォーム
もともと、窓に海を臨むバスルームでしたが、「見え方がイマイチなんだよね」とお施主さま。デザイナーも、「なるほど、中途半端でもったいない」。
そこでバスタブを斜めにレイアウトし、窓の高さまでバスタブの位置を上げることにしました。ちょうど湯船に肩まで浸かったときに、海の目線。壁に貼ったのはブルーのタイル。バスルームが海につながっているような不思議な気分。今にも湯船にさざ波が立ちそうな気がします。
夜になると、まっ暗な海の上に星や月がきらめいて、これもまたキレイです。
実例3 スイートルームのバスルームのようにリフォーム
「ホテルを出されても参考にならないよ」なんてお叱りの声をいただきそうですが、こちらはれっきとした個人宅のバスルームです。しかしここまでくると、ハイクラスホテルのスイートルームのようですね。
こちらのバスルームのリフォームでは、できる限りスペースを広くするため、洗面室と一体に。床に段差を設け、洗面室とバスルームをおだやかにゾーニングしたくらいです。これで、バスルームの水が洗面まで流れてきません。よっぼど豪快な方でなければ。
また、いくつもの高級素材を使い分けていることも特徴です。浴槽の側面はベージュの大理石の板で曲線を描き、さらに壁にはクロコダイルの型押しのタイルを貼りました。タイルはイタリアから取り寄せた貴重品。納期がかかりました、繊細な輝きに「待ったかいがあった」という感じです。
実例4 趣あるバスルームにリフォーム
懐かしくて、味わいがあり、ほっとする。そんなバスルームにリフォームしました。
モルタル塗りの壁の塗りムラ。モザイクタイルが放つ素朴な雰囲気。六角形のレトロなモザイクタイルは、廊下から流れ込むように床~壁~エプロンまで貼りました。
モルタル塗りの壁と天井も、ダイニング・キッチンから続いているため、なんとなく「バスルームも居室の一部」といった印象。バスタブは肌ざわりが重厚で、なめらかなホーロー製をセレクト。
決して広くはないけれど、ずっとこもって延々と本を読み続けていたくなるような落ち着いた雰囲気です。
分かりやすい”ゴージャス感”ではなく、ここで暮らす人の好みを追求したバスルームだということが、よくわかりますね。
まとめ
まずは、ネットや雑誌、映画やホテルなどから「これだ」というバスルームのイメージを見つけてください。「こんなのできっこないよね」なんて考える必要はありません。リフォーム会社に遠慮することなく、ワガママに大胆に希望をぶつけてみましょう。見積もり書を見て飛び上がることのないよう、事前に予算を伝えることをお忘れなく。
リフォーム会社のデザイナーは、そのイメージを実現するには〈既製のユニットバス〉〈オーダーユニットバス〉〈在来工法〉のどれがベストかを考えます。「そのご希望なら既製品でもできますよ」ということもけっこう多いです。それからイメージを表現するための素材や、お客さまが使いやすいバスタブやシャワーヘッドを探し、提案します。
バスルームをリフォームしようと思ったら、まずは「理想のイメージ」と「予算」をなんとなくでいいので考えましょう。それをリフォーム会社に伝えたら、提案を待つだけでよい思います。こんなに長々と書いて申し訳ないのですが、バスルームをリフォームする人がやるべきことは、「ざっくりとした理想のイメージ」と「大まかな予算」を決めるだけ、というお話でした。
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