ウェグナーの椅子は、時をこえて世界中で愛されています。
フィンランドのデザイナー「アルバ・アアルト」の活動を受け継ぎ、優れたデザイナーが生まれた1950年代。“スカンジナビアモダン”と呼ばれる北欧独自のデザインが広がりました。
そのなかでも、北欧らしいクラフトマンシップを感じさせる椅子が、デンマークのデザイナー「ハンス・ウェグナー」。今回は、木の温もりあふれるウェグナーの椅子の数々をご紹介します。
ウェグナーの椅子1_美しいフォルム「チャイニーズチェア」
木の温もりとシンプルなデザインが特長の「チャイニーズチェア」。のちのウェグナーの椅子も『この作品がなければ生み出されなかったのでは』と言われています。
中国・明時代の伝統的な椅子「圏椅(クワン・イ)」にインスピレーションを受けてつくられたと言われています。その名の由来のとおり、力強い中国の古典的な意匠を残しながらも、北欧らしいスタイリッシュで洗練されたデザインに仕上げられています。1944年に発表以来、幾度もリデザインされ、その時代に合せた椅子へと進化し続けている名作椅子です。
どっしりとした上質感のある佇まいは、1脚で使うのはもちろん、ダイニングセットにもおすすめ。ワンランク上のラグジュアリーな空間を演出します。
ウェグナーの椅子2‐住まいのなかで存在感を放つ「ピーコックチェア」
1947年に発表されたピーコックチェア。主に無垢材やペーパーコード(樹脂を含ませてよった紙ひも)で作られています。
孔雀が羽根を広げたような形であることから付けられた名前は、華やかなデザインが魅力。ただ美しいだけでなく、ウェグナーの椅子らしい人間工学的にも理にかなっています。
幅が広くゆったりとした座面は、ペーパーコードならではの“しなり”で座り心地が抜群です。リビングや書斎などに置けば、空間のさりげないアイポイントに。
ウェグナーの椅子3_世界中の人々に愛される「ザ・チェア」
椅子の中の椅子」と敬意を込めて名付けられた「ザ・チェア」。ウェグナーの椅子と聞いて思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。世界中の人々に愛され、数々の逸話を残す名作椅子です。品格のある佇まいと美しいフォルムが特徴のザ・チェアは、世界の王室や政治家などにも愛用されています。
無駄のないシンプルかつ洗練されたデザイン、そしてその座り心地です。まるで昔から愛用していたかのように体になじみます。
現在も、職人の手により1脚ずつ丁寧な手仕事で仕上げられているザ・チェア。『この椅子と共に年を重ねていきたい』。そう思える相棒のような存在になることでしょう。
ウェグナーの椅子4_普遍的なデザインで魅了する「Yチェア」
1950年に発表されたウェグナーの代表作とも言える椅子が「Yチェア」。ウィッシュボーンチェアとも呼ばれ、長きに渡り人々に愛されている作品です。Y字型の背もたれが名前の由来となっています。
Yチェアの特長は、体にフィットする座り心地と普遍的なデザイン。優美な曲線とフレームの滑らかな触り心地、座面の程よいしなり感、どれをとっても名作と呼ばれるのに相応しい椅子です。
無垢材とペーパーコードを使用しているため、使うごとに風合いを増し、経年変化を楽しめることも魅力のひとつ。
ウェグナーの椅子5_包み込む優雅な座り心地「サークルチェア」
ウェグナーの椅子のなかでもイージーチェアとして知られるのが、放射状に広がるロープで軽快に仕上げた「サークルチェア」。扇を広げたように優雅な曲線美と、ハンモックのように優しく包み込むような座り心地が魅力です。
ネック部分と座面には、専用のクッションが付いています。ボリューム感がありながら、素材使いが軽やかです。好きな場所に移動して、自分だけのリラックススペースに。
まとめ
ハンス・ウェグナーの椅子をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
誰もが長く愛用したいと思える、木のぬくもりを感じる彼の作品は、今なお世界中の人々を魅了し続けています。ぜひ、住まいの主役となる名作椅子を取り入れてみましょう。
ウェグナーの椅子がフィットする空間の事例です。石と木を使用し、ウェグナーをはじめとしたヴィンテージ家具がフィットする空間にリノベーションしています。