〈リノベーションカフェ巡礼 vol.1〉古民家を活かしたONIBUS COFFEE/中目黒 | リノベーションスープ

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〈リノベーションカフェ巡礼 vol.1〉古民家を活かしたONIBUS COFFEE/中目黒

〈リノベーションカフェ巡礼 vol.1〉古民家を活かしたONIBUS COFFEE/中目黒

”サードウェーブコーヒーの到来”なんていわれて久しく、カフェやコーヒースタンドが増えています。
なかには、リノベーションによって〈古くてよいもの〉を活かした個性派カフェも。

そこには新しい建物にはない趣や味わい、心地よさがただよっています。

古い物を活かしながら新しさを加え、どこにもない空間をつくる。
これこそリノベーションの醍醐味。

そこでリノベーションをしたカフェを巡る新企画です。

今回は、長屋だった古民家をリノベーションした〈ONIBUS COFFEE 中目黒〉をご紹介します。

古民家の味わい残し、大谷石や常滑焼きで和の装飾を

〈リノベーションカフェ巡礼 vol.1〉古民家を活かしたONIBUS COFFEE/中目黒

中目黒駅から徒歩1分。路地をちょっと入ったところに、ちいさな公園があります。

その入り口にたたずむのが〈ONIBUS COFFEE〉(オニバスコーヒー)。

大谷石と木の鎧張りという一風変わったファザードに、「おや」と足を止めてしまいます。ふとただよってくるコーヒーの香りに、ふらふらと吸い込まれてしまいそうに。

〈ONIBUS COFFEE〉がオープンしたのは2016年の1月。長屋だった古い木造住宅を、コーヒーに合うカフェにリノベーションしたそうです。

「他にはない空間をつくりたかった」と話すのは、オーナーの坂尾篤史さん。2012年は奥沢に〈ONIBUS COFFEE〉、2014年は道玄坂に〈ABOUT LIFE COFFEE BREWERS〉をオープンするなど、スペシャリティコーヒーシーンをけん引してきました。最近では外苑前の〈RATIO&C〉で、自転車とともにたのしむコーヒーを提案しています。

〈リノベーションカフェ巡礼 vol.1〉古民家を活かしたONIBUS COFFEE/中目黒

そんな坂尾さんが、4店舗目にあえて路地裏で人通りが少ない場所を選んだのは?

コーヒーをつくる人と、コーヒーを飲む人のつながりを大切にしたかったから。コーヒーを通して生まれる何気ない会話が、人を元気にしたり、日常をたのしく、豊かにしてくれる。そう考えているそうです。

店舗デザインは、他の店舗も手掛けたというデザイナーの鈴木一史さん。古民家の面影を残しつつ、さりげなく和の趣を感じるカフェとして生まれかわりました。

大谷石ならではのまだら模様と、ざっくりとした木の風合い。雨風にさらされながら、味わい深く経年変化したことわかります。

1階の内壁には常滑焼きのタイルが使われています。常滑焼きとは、愛知県常滑市でつくられる焼き物のこと。ちょうど陶器と磁器の間の性質を持つそうで、みずみずしい光沢や釉薬によるムラが特徴。その壁の前で、コーヒーをドリップしたり、焙煎したりする様子が印象的でした。

〈リノベーションカフェ巡礼 vol.1〉古民家を活かしたONIBUS COFFEE/中目黒

焙煎スペースの壁やドアには、黒板塗装が施されています。チョークアートは、あのCHALKBOYさんが書いたそう。

黒いスチールの外階段を上がって2階に入ると、カフェスペースです。

〈リノベーションカフェ巡礼 vol.1〉古民家を活かしたONIBUS COFFEE/中目黒

縦長の形状を見ると、「やっぱり長屋だったんだ」と大きくうなずいてしまいました。

公園の緑を借景し、すがすがしい雰囲気。窓が大きく、視線が通るため、実際の面積よりも伸びやかに感じます。

大きなテーブルが2つ置いてあり、思ったよりもゆとりがあります。友人の家を訪れたような、ほっとする親しみやすさ。本を読んだり、手紙を書いたりと、一人で静かに過ごすのもよさそうですね。

〈リノベーションカフェ巡礼 vol.1〉古民家を活かしたONIBUS COFFEE/中目黒

窓は既存を残したのだとか。開け閉めするたびにカタカタと音が鳴り、風情を感じます。

窓の外を通り過ぎる電車と、目線が近いのもうれしいです。

床にはもともと、上質な無垢材のフローリングが貼られていたそうですが、光沢のある仕上げでせっかくの無垢のよさが感じられなかったとか。
そこで、表面のワックスを削り、木の素地そのもののよさを出しました。

使ううちに生まれた傷や変色によって、古い空間にすっかりなじんでいました。

〈リノベーションカフェ巡礼 vol.1〉古民家を活かしたONIBUS COFFEE/中目黒
〈リノベーションカフェ巡礼 vol.1〉古民家を活かしたONIBUS COFFEE/中目黒

仕上げが撤去された天井は高く、思ったよりも開放的です。

古い小屋組みや梁があらわしになっていて、よくよく見てみると、筆で書かれた文字が。当時の大工さんや、材木屋さんが書いたのでしょうか。達筆なもので、ちょっとおどろきました。

古民家のリノベーションには、こんなサプライズもつきものです。

厳選した豆を自家焙煎。季節ごとに一番おいしい豆をセレクト

〈リノベーションカフェ巡礼 vol.1〉古民家を活かしたONIBUS COFFEE/中目黒

鼻孔を刺激する、コーヒー焙煎の香り。

それもそのはず。
1階ではディードリッヒというアメリカ製の大きな焙煎機が、ひっきりなしに動いていました。

コーヒーを注文すると、目の前でドリップしてもらえます。
お湯を注いでスプーンでかき混ぜながら「こうすると均等になるんですよ」と。少しずつ抽出されるコーヒーは、とてもキレイな琥珀色。大きなコーヒーカップにたっぷりと注いでくれます。

コーヒーカップは、イイホシユミコさんに製作してもらったという〈ONIBUS COFFEE〉のオリジナル。

ルワンダの豆を使ったコーヒーは、オレンジのようにフレッシュな酸味と、栗のような深みがありました。雑味が一切なく、後味はクリア。これからの季節にぴったりです。

〈リノベーションカフェ巡礼 vol.1〉古民家を活かしたONIBUS COFFEE/中目黒

オーナーの坂尾さんは中目黒店にいることが多いため、運がよければコーヒーを淹れてもらえるかもしれません。

〈リノベーションカフェ巡礼 vol.1〉古民家を活かしたONIBUS COFFEE/中目黒

テイクアウトスペースのベンチに座っていると、いろんな音が聞こえてきます。

公園から響く子どもたちの笑い声。
電車が通りすぎる音。
ベンチでくつろぐお客さんとスタッフの会話。

その声をかける様子は、さらりとしてるけど、とても感じがいいものです。
「コーヒーの味どうですか?」
「うん、おいしいね」
まるで近所の人と「どこいくの?」「ちょっとそこまで」なんて話しているようなさりげなさ。

コーヒーを飲みながら、人と、街と、過去とつながる。特別だけど、どこかなつかしい。そんな空気を体感したくなったら、〈ONIBUS COFFEE〉に訪れてみてはいかがでしょう。

まとめ

坂尾さんが5年前にONIBUS COFFEE1号店をオープンしたときは、今ほどカフェやスタンドがありませんでした。

「お手本にするほどカフェがなく、ほんとうに手さぐりでした。だからこそ、自分たちが素直に『いいな』と思える店を目指しました。そうしたこともあり、独自性が生まれたのかもしれません」と振り返ります。

誰かのマネをするのではなく、自分がよいと心から思える空間をつくる。それが、オリジナリティにつながる。

そこには、坂尾さんがこれまで見たもの、感じたものが集約されているはずです。

リノベーションをする前に、まずはさまざまな空間を訪れ、自分のなかにインプットすること。これがなにより大切なのではないでしょうか。

自家焙煎と、ハンドドリップで淹れてくれるコーヒー。建物の魅力とコーヒーのおいしさに、人々が吸い寄せられるように集まってきます。ひと休みにぴったり。

ONIBUS COFFEE web

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